「ピテカントロプス- Project by The 6th Laboratory Oil-Painting Department of Tokyo University of the Arts -」日本橋三越本店

「ピテカントロプス- Project by The 6th Laboratory Oil-Painting Department of Tokyo University of the Arts -」日本橋三越本店

名称:「ピテカントロプス- Project by The 6th Laboratory Oil-Painting Department of Tokyo University of the Arts -」日本橋三越本店
会期:2025年2月19日(水) ~ 2025年3月3日(月)
会場:日本橋三越本店本館6階 コンテンポラリーギャラリー
   最終日午後5時終了
住所:〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1
TEL: 03-3241-3311
URL: 日本橋三越本店

内野琳央・宮林妃奈子
内野琳央・宮林妃奈子

このたび、2025年2月19日(水)から3月3日(月)まで、東京藝術大学大学院美術研究科油画第6研究室による企画展『ピテカントロプス Project by The 6th Laboratory Oil-Painting Department of Tokyo University of the Arts』を開催いたします。
研究室のメンバー(内野琳央/ 梅本匡志/ Lea Embeli/ Ro Kiko/ 小久保タクミ/ フカミエリ/ 宮林妃奈子/ 山本和真/ 渡邊涼太/ 薄久保香)に加えて、Michael Rikio Ming Hee Hoをゲストアーティストに迎えた展覧会プロジェクトの発表です。
メンバーそれぞれが対話を重ねた結果、それぞれの普段の制作とは違った視点で取り組んだ作品群が生まれました。是非ともご期待ください。
協力:Gallery 38, Hiro Okamoto Gallery, KOTARO NUKAGA, SOM Gallery, WAITINGROOM
ー展示作家ー
内野琳央/ 梅本匡志/ Lea Embeli/ Ro Kiko/ 小久保タクミ/ フカミエリ/ 宮林妃奈子/ 山本和真/ 渡邊涼太/ 薄久保香/ Michael Rikio Ming Hee Ho
※敬称略・順不同

梅本 匡志
梅本 匡志

本展は、「訪れる」ことから始まった。訪ねて対話を重ねる中で、新たな視点が生まれ、作品が普段とは異なる位置へと移動するように、ある種別軸の位置に置かれた作品を展開できる場として本展を位置付けたいと考えた。
ある展示会のオープニングパーティーに訪問した際、WAITINGROOM代表の芦川さんと出展アーティストのMichael Hoが迎えてくれた。Michaelは私たちの前で制作について話し、そこで初めての対話が生まれた。その瞬間はただの会話を超えて、人類がコミュニティを築ける根幹にある、言語を通じた複雑なコミュニケーションの可能性を実感させる場でもあった。この対話が知識や経験の継承を促し、今回の展示という形で双方向の訪問と交流が結実したと言える。
本展では各々が展覧会へと過ごしていく中で一つ「ピテカントロプス」という種を持ちながら制作することになる。私たちが対話していく中で生まれた言葉であったが、一つこの展覧会を位置づけるものとしてこの言葉に重きが置かれている。
人類の祖先とされる「ピテカントロプス」(正式にはホモ・エレクトス)は、今からおよそ180万年前ごろにアフリカで誕生した。彼らに関することは未だ全て解明されているわけではないが、発掘された石器や骨などからおおよその生態系が判明している。興味深いのは、彼らが制作を生命活動と密接に結びつけて行っていた点である。石器などの道具を作り出す行為は、生き延びるための狩猟や調理といった直接的な目的のためだった。
現代において制作は文化を形作る行為として認識され、生命活動とは直接関係がないようにも見えるが、ホモ・エレクトスたちが生存のために制作を行っていたことを考えると、その行為の延長線上に現在の「制作」が存在しているのは非常に興味深いことである。
制作と人類の関係性について考えると思い出す出来事が一つある。4年ほど前にコロナウイルスの蔓延により世界中の機能が麻痺していた頃、日本では生命維持に関わる職種が優先される一方で、文化的職業は必要性が低いものとして扱われた。非常時に文化は後回しにされる。それでも、心のゆとりを支えるものこそ文化ではないかという疑問が消えなかった。創作は人類の根源に息づき、歴史とともにその価値を変えながらも、ホモサピエンスがホモサピエンスをたらしめる要因に触れているように思えた。
人類は機械にもなれるし花にもなれる。恒久的にも刹那的にもなれる。現在は常に時間の最先端でありながら、同時に過去の一部でもある。私たちが180万年という時の中から、微かな影響力を受けているのだとすれば数百万年後に対する人類にとって現在が痕跡になる。その痕跡と人類が邂逅する事で私たちの一種の証明になり、また葉が開くのではないか。
内野琳央 小久保タクミ

Lea Embel
Lea Embel

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「異端の奇才――ビアズリー」三菱一号館美術館
  2. 特別展「宇和海のくらしと景観」愛媛県歴史文化博物館
  3. 「平櫛田中邸の記憶 第四章 おとこざかりは百から」小平市平櫛田中彫刻美術館
ページ上部へ戻る