キュレーションを公平(フェア)に拡張する vol.3「(こどもの)絵が70年残ることについて」MEDIA SHOP | gallery

キュレーションを公平(フェア)に拡張する vol.3「(こどもの)絵が70年残ることについて」MEDIA SHOP | gallery

名称:キュレーションを公平(フェア)に拡張する vol.3「(こどもの)絵が70年残ることについて」MEDIA SHOP | gallery
会期:2025年2月4日(火) 〜 2025年2月23日(日)
会場:MEDIA SHOP | Gallery
時間:12:00~20:00
休館日:会期中無休
料金:無料
住所:〒604-8031 京都府京都市中京区大黒町44 VOXビル
TEL:075-255-0783
URL:MEDIA SHOP | gallery

HAPSが「公立美術館における障害者等による文化芸術活動を促進させるためのコア人材のコミュニティ形成を軸とした基盤づくり事業」の一環として開催する展覧会。第3弾となる本展では、東京国立近代美術館主任研究員の成相肇氏をゲストキュレーターに招聘し、障害者支援施設である「落穂寮」と「みずのき」に残る絵をもとに、「障害」という属性に遡る「こども」という時間軸から、評価と属性についての判断に一石を投じます。
「障害とアート」という主題は、複数のサブジェクト —制作主体、支援(指導)主体、 評価主体— の政治学的な結びつきによって構築されたひとつの制度です。この制度の特殊性は、第一に、この制度が制作主体の属性に規定されていること、第二に、支援主体と評価主体が依拠する価値の尺度において、制作主体と密接した福祉的評価と「アート」単独の評価の二軸が交差していることにあります。
「アール・ブリュット」「エイブル・アート」「セルフトート・アート」「障害者アート」等のそれぞれ部分的に重複しあう様々なカテゴリーの名称はいずれも、数あるアートをめぐる言説の中で例外的に、制作主体の属性の設定に主眼があります。何より、様々な名称が提案されるそのこと自体が、いま書いた特殊性に由来しています。
そしてこの特殊性ゆえに、 残されてきた絵がある。
「障害とアート」という主題が掲げられるとき、その後半部、すなわち自明性の不確かな 「アート」に視線が注がれることが常ですが、今回は前半部に力点を置きたいと思います。障害者を含む、誰もが必ず通過する「こども」に、いったん属性を置きなおしてみることが、この企画の趣旨です。
仮に、「こども」の表現が高く注目された1950年代から60年代に時代を絞ることにします。障害者支援施設「落穂寮」(滋賀県)と同「みずのき」(京都府)に残る絵とともに、同時代の「児童画」にまつわる資料を展示します。 規模の小ささに見合わないかもしれませんが、 ひとつの制度を脱構築する機会となれば幸いです。
—成相肇(東京国立近代美術館 主任研究員)

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