「猪熊弦一郎展 立体の遊び」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

猪熊弦一郎《猫達》1953 、油彩・カンヴァス、45.5×53.3

名称:「猪熊弦一郎展 立体の遊び」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:2025年1月26日(日)〜2025年3月30日(日)
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
開館時間:10:00 〜 18:00
休館日:月曜日
   2月24日は開館
   2月25日は休館
入場料:一般 300円、大学生 200円、高校生以下・18歳未満・65歳以上(丸亀市内に在住)・障害者手帳提示と付き添い1名 無料
住所:〒763-0022香川県丸亀市浜町80-1
TEL:0877-24-7755
URL:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

猪熊弦一郎《自画像》1921、油彩・カンヴァス、60.5×50.2
猪熊弦一郎《自画像》1921、油彩・カンヴァス、60.5×50.2

猪熊弦一郎(1902-1993)は、絵画を中心に数多くの作品を制作しましたが、その長い作家活動の中では立体にも取り組んでいました。本展では、猪熊の立体表現に焦点を当て、同時期の絵画とあわせてご紹介いたします。
まず、渡米前の立体表現として、1953年に発表された「ル・オブジェ・メタモルフォーゼ」と題する彫刻のシリーズが挙げられます。同時期の絵画では人体などをデフォルメさせた表現に取り組んでいた猪熊は、針金や身近な日用品を自在に組み合わせて、動物などのイメージを表した彫刻にも挑戦していました。またこの頃から、絵画の領域を超えて、人々の身近な生活空間の中にある芸術として、家具などのデザインやパブリック・アートの仕事も手がけるようになります。
その後、1955年の渡米をきっかけに具象から抽象へと表現を転換させますが、それは絵画のみならず立体においても見られます。さらに、コラージュの手法を応用した表現に取り組み、ダンボール箱を支持体にした立体作品、空き缶や瓶のフタなど金属の素材を用いたレリーフ作品などを制作するようになります。
また、1960年頃から晩年まで継続していたものとして、様々な素材を組み合わせた「対話彫刻」と題する彫刻のシリーズが挙げられます。前出の「ル・オブジェ・メタモルフォーゼ」と同じく針金を用いて、お菓子の包み紙、木材などを素材に、小さな生き物のようなものから幾何学的なオブジェまで、無数の小さな彫刻が生み出されました。これらはさらに、当館ゲートプラザの《星座》《四つの生命》《シェルの歌》やカスケードプラザの《トライアングル・アンド・レインボー》などの作品へと発展します。12メートルを超える大型の屋外彫刻も、こうした小さな彫刻を模型にして構想されました。
猪熊の立体表現には、形そのものの面白さの探求や、思いがけない形同士の組み合わせ、また小さなものから大きなものまで横断するスケールの自在さなど、素材や造形における実験性や自由な精神がより直裁に表れています。猪熊の遊び心や想像力が詰まった立体の世界を、どうぞお楽しみください。

猪熊弦一郎《LE OBJET MÉTAMORPHOSÉS》1953、コラージュ
猪熊弦一郎《LE OBJET MÉTAMORPHOSÉS》1953、コラージュ
 三越包装紙「華ひらく」のモチーフとなった石
三越包装紙「華ひらく」のモチーフとなった石
猪熊弦一郎(デザイン)、三越包装紙「華ひらく」、1950
猪熊弦一郎(デザイン)、三越包装紙「華ひらく」、1950
猪熊弦一郎《題名不明》1954頃、油彩・カンヴァス、60.0×72.4
猪熊弦一郎《題名不明》1954頃、油彩・カンヴァス、60.0×72.4
猪熊弦一郎《猫達》1953 、油彩・カンヴァス、45.5×53.3
猪熊弦一郎《猫達》1953 、油彩・カンヴァス、45.5×53.3

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