
名称:「観音と天神」遊行寺宝物館
会期:2025年1月22日(土)~5月12日(月)
会場:遊行寺宝物館
開館時間 午前10時~午後4時30分(入館は閉館30分前まで)
開館日:毎週 土・日・月・祭日
住所:〒2510001 神奈川県藤沢市西富1の8の1
TEL:0466 ‐22‐2063
URL:遊行寺宝物館
天神様。天満宮の祭神である菅原道真を敬い親しむ神号として知られますが、広義では天の神である天津神(あまつかみ)を表します。天神は荒ぶる神として畏怖されますが、雷・雨・水などと結びつけられ、農耕神としても信仰されます。日本に仏教が伝えられた以降、国内に広く浸透した仏教は神道と融合し、神仏習合の教説が定着します。日本の神祇は先例を探れば仏であるとし、仏陀は人間を利益し衆生の苦しみや困難から救うために、日本の実情に合わせ神の姿となって現れた(垂迹)としたのです。これが本地垂迹説です。例えば時宗立教開宗の地である熊野本宮大社の本地は阿弥陀仏、熊野速玉大社は薬師如来、熊野那智大社は観音菩薩になります。また、神格化されてゆく人物にも本地が与えられ、仏教興隆につとめた聖徳太子や、後に学問の神様として信仰された菅原道真の本地は観音菩薩とされたのです。
さて、時宗と天神の関係は『一遍聖絵』第十一巻第二段に描かれます。一遍上人が淡路国しつき(志筑)津名郡にある北野天神(道真)を祀る社(現在の志筑神社)に参詣した時、「天神の本体は阿弥陀如来をお手伝いする観音菩薩であり、人々が往生する時、西方極楽浄土から来迎し人々を乗せる蓮台を傾けられる方なのです。天神として出現した観音菩薩は現世や来世においても、そのご利益は他に並ぶものがありません。貴賎共に帰依するものが絶えることがないのです。また、天神は仮に太宰府に左遷されたという名を残してまで、濁れる末世の人々を助けられるばかりでなく、臨終の障害を除いて浄土へ往生できるよう、広くその門を開いているとされるのです。」天神の由縁を伝えられたのです。その後、時宗内において天神に対する信仰心が深まり、道真の命日に因んだ天神の縁日とされる毎月25日には別時念仏を修し、一遍上人の教えを忠実に守ろうとした記録が残ります。また、天神信仰の表れとして、遊行寺には束帯天神、渡唐天神、柘榴天神など、多数の天神像が収蔵されているのです。
この度は、遊行寺所蔵の天神像と観音像を中心に、絵巻に描かれる天神や観音、経典などの関連資料と共に紹介します。神と仏の御影と共に、その御利益を展示室にてお受けください。
2025年2月吉日
遊 行 寺 宝 物 館
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。