「北田卓史展 想い出の空飛ぶタクシー」武蔵野市立吉祥寺美術館

  • 2025/8/26
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「北田卓史展 想い出の空飛ぶタクシー」武蔵野市立吉祥寺美術館

名称:「北田卓史展 想い出の空飛ぶタクシー」武蔵野市立吉祥寺美術館
会期:2025年9月20日(土曜)~11月3日(月曜・祝日)
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館
休館日9月24日(水曜)/10月29日(水曜)
開館時間10時00分~19時30分
入館料300円(中高生100円、小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)
主催:武蔵野市立吉祥寺美術館<(公財)武蔵野文化生涯学習事業団>
協力:ポプラ社・Gakken SEED・小峰書店・至光社・世界文化ワンダーグループ・チャイルド本社・ひかりのくに・フレーベル館
理論社・EHONS(丸善ジュンク堂書店)
住所:〒180-0004東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目8番16号 FFビル7階
TEL:0422-22-0385
URL:武蔵野市立吉祥寺美術館

タイトル不詳(詩 蔵冨千鶴子)
*「こどものせかい」1968年5月号(至光社)掲載
ⓒ北田卓史
タイトル不詳(詩 蔵冨千鶴子) *「こどものせかい」1968年5月号(至光社)掲載 ⓒ北田卓史

遺されたアトリエの扉を開けて
初公開の“月刊保育絵本”の原画を中心に 約200点を展示します!
 童画家・北田卓史(1921‐1992)で想い出すのは、小学校の教科書にも掲載された短編童話・「白いぼうし」が収載された「車のいろは空のいろ」シリーズでしょう。空色の車を運転する“タクシー運転手の松井さん”と不思議な乗客たちの物語は、1968年刊行以降、世代を超えて広く親しまれています。戦後児童文学の第一人者である、あまんきみこ(1931‐)の傑作であり、児童書の挿絵画家・北田卓史の名をも決定付けました。北田は、同シリーズに加え、短編から絵本化された『山ねこ おことわり』(1977年)も担当。ファンタジーの世界を見事に具現化した登場人物たちは、たくさんの子どもたちの記憶にその姿を残します。また、挿画の担い手として、『チョコレート戦争』(1965年)、『さとるのじてんしゃ』(1968年)など、児童文学作家・大石真(1925-1990)の代表作も手掛けています。
しかし、北田卓史の魅力は、実は児童書にとどまりません。特に、1950年代末~70年代にかけて、月刊保育絵本の仕事を数多く担当。まさに“昭和の時代”に月刊保育絵本を舞台に活躍しました。その鮮やかな色彩と卓越したデザイン力、ダイナミックな構図は、従来の北田卓史のイメージを覆すような驚きに満ちています。幼児教育のために保育の現場で求められ、毎月刊行される月刊保育絵本は、発達段階に合わせたテーマが多く、北田も “おはなし”のみならず、“四季の行事”や“生活習慣”、“動物”、“童謡”に至るまで、さまざまな求めに応じて絵を描いています。特に、「東京工業専修学校」を卒業後、“機械技術者”として2年働いた経験も活かし、車や潜水艦、飛行機やロケットなど、細部描写にこだわったデザイン性の高い“乗りもの”は、当時の子どもたちの心をしっかりと掴みました。
本展では、北田の没後、アトリエに遺され、長年遺族が管理していた原画のなかから、約200点を展示。初公開となる、各出版社刊行の月刊保育絵本に掲載された、“幻の原画”を中心に紹介します。あわせて、本格的に童画の世界に入る前に、「きただ たかし」の名で手掛けた“漫画”や、ミニカーのコレクション、自身が手作りしたという、鉄道模型やジオラマなども参考展示。
北田が描く、日に焼けた肌と黒目だけで魅せる豊かな表情の子どもたちに、私たちはどうしてこんなにも惹きつけられるのか…。
さぁ、北田卓史の世界を心ゆくまでお楽しみください。

『ぼたんを おしたら』(詩 巽聖歌)
*「こどものせかい」1963年7月号(至光社)掲載
『ぼたんを おしたら』(詩 巽聖歌) *「こどものせかい」1963年7月号(至光社)掲載
『くうちゅう けーぶる』 (詩 薩摩忠)
*「こどものせかい」1967年7月号(至光社)掲載
『くうちゅう けーぶる』 (詩 薩摩忠) *「こどものせかい」1967年7月号(至光社)掲載
『はみがきのうた』(詩 まど・みちお)
*「チャイルドブック」1963年6月号(チャイルド本社)掲載
『はみがきのうた』(詩 まど・みちお) *「チャイルドブック」1963年6月号(チャイルド本社)掲載
『おかあさんの て』(詩 間所ひさこ 作曲 湯山 昭)
*「チャイルドブック」1970年5月号(チャイルド本社)掲載
『おかあさんの て』(詩 間所ひさこ 作曲 湯山 昭) *「チャイルドブック」1970年5月号(チャイルド本社)掲載

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