「松原 賢 生々流転」セイコーハウス銀座ホール
- 2025/9/13
- 東京
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名称:「松原 賢 生々流転」セイコーハウス銀座ホール
会期:2025年10月9日(木) 〜 2025年10月19日(日)
開館時間:11:00-19:00 最終日は17:00まで
会場:セイコーハウス銀座 6階 セイコーハウス銀座ホール
住所:〒104-8105 中央区銀座4丁目5-11
TEL:(03)3562-2111(代表)
URL:セイコーハウス銀座ホール

日月は松原氏が室戸岬の御厨人窟で体験した空海の風景である。屏風(四曲)波濤に日輪と月が描かれている。
「天地の気韻を表現した松原氏の芸術」
松原 賢氏は、25歳の時に井上三綱氏と出会い「自分の直感を信じなさい。既成の概念に捕らわれてはいけない」という師の言葉によって、画家としての人生を決意する。「生々流転」とは、天から降った雨の一滴が集まって渓流となり、川へ成長し、さらに大河となって大海に注ぎ、最後は飛龍となって天に昇るという、壮大な自然觀、人生観を描いた横山大観の水墨画だが、松原氏の「生々流転」は師の住む長興山の創造の泉の一滴から始まった。師の没後、松原氏は井上氏の代表作「黄鐘調」から影響を受けた大作「カオス」を制作し転機を迎える。以後「音」をテーマに抽象作品を制作するが、2011年より林屋晴三氏の依頼によって、床掛け制作のため山や渓谷、川や海を描くようになり、心象と実感が一致した「景」、また湖水の水面に現れる大気の響きを表現した「水景」が誕生した。それは、目には見えない天地の気韻を表現した松原氏独自の世界である。さらに、これまでの画業の集大成ともいうべき「日月空海図」は、松原氏が室戸岬の御厨人窟で体験した空海の風景である。そこには、果てしない空と海、輝く日輪と月輪、その光の波動、宇宙空間を埋める粒子(円)などが描かれている。その創造のリズムこそ松原作品に込められた最大の魅力である。その大作は海を渡り、米国のフィラデルフィア美術館、ミネアポリス美術館、ダラス美術館に収蔵され、ミネアポリス美術館では作品「カオス」が7ヶ月に渡り特別展示された。本展では松原氏が描く生々流転、師・三綱氏の影響を受けた初期から現在に至るまでの作品30点余が展示される。美術評論家 森 孝一

涿(たく)とは、天から降った雨の一滴が水面に落ち、渓流となり川へ成長していく生々流転の始まりを描いている。

昃(しょく)とは、日が西に傾く昼過ぎのこと。西方浄土をイメージして、日輪と水を生命の象徴として描いている。


松原氏の描く山や渓谷は、外から眺めた風景ではなく、自然の中に分け入ることによって、心象と実感が一致して生まれた風景である。








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