「北斎でひもとく!浮世絵版画大百科」すみだ北斎美術館

  • 2025/11/6
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「北斎でひもとく!浮世絵版画大百科」すみだ北斎美術館

名称:「北斎でひもとく!浮世絵版画大百科」すみだ北斎美術館
会期:2025年12月11日(木)〜2026年2月23日(月・祝)
会場:すみだ北斎美術館
開館時間:9:30〜17:30(最終入場17:00)
休館日:月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合は翌平日)、2025年12月29日〜2026年1月2日(年末年始休館)、2026年1月20日(展示替え休室)
入場料:一般1,000円、高校・大学生700円、65歳以上700円、中学生300円、障がい者300円、小学生以下無料
住所:〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2
TEL:03-6658-8936
URL:すみだ北斎美術館

「北斎でひもとく!浮世絵版画大百科」すみだ北斎美術館
「北斎でひもとく!浮世絵版画大百科」すみだ北斎美術館

概要:
「北斎でひもとく!浮世絵版画大百科」は、浮世絵版画の歴史と技法、そして江戸の文化を包括的に紹介する特別展である。本展は、絵師・彫師・摺師が協働して制作する「版画」というメディアの本質に迫り、量産可能な印刷技術としての浮世絵がどのように人々の暮らしと結びついていたのかを探る。

葛飾北斎「雪月花 隅田」すみだ北斎美術館蔵(前期)
葛飾北斎「雪月花 隅田」すみだ北斎美術館蔵(前期)

一点物の肉筆画に対して、浮世絵版画は複製可能な商品であり、江戸を訪れた旅人が「江戸土産」として持ち帰る人気の品であった。その量産性こそが、葛飾北斎の《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》をはじめとする名作が広く海外へと伝播する基盤となった。浮世絵は単なる美術作品ではなく、情報を伝えるメディアであり、庶民の娯楽・風俗・流行・都市文化を視覚的に記録した“江戸の百科事典”でもあった。

葛飾北斎「あづま与五郎の残雪」「伊達与作せきの小万夕照」すみだ北斎美術館蔵(後期)
葛飾北斎「あづま与五郎の残雪」「伊達与作せきの小万夕照」すみだ北斎美術館蔵(後期)

本展では、浮世絵版画の成立から技法の発展、版元制度や出版の仕組みまでを多角的に紹介する。前期(2025年12月11日〜2026年1月18日)と後期(2026年1月21日〜2月23日)で一部展示替えが行われ、北斎の代表作のほか、門弟や同時代の浮世絵師の作品も展観される。版木の構造や摺りの工程を解説する資料展示も充実し、浮世絵版画の制作過程を視覚的に理解できる構成となっている。
本展は、北斎が築いた浮世絵の美と科学、芸術と印刷技術の融合を総覧する「大百科」として、国内外の観客に江戸文化の奥行きを再発見させるものである。

歌川国芳「達男気性競 つりかね弥左衛門」株式会社原書房蔵(通期)
歌川国芳「達男気性競 つりかね弥左衛門」株式会社原書房蔵(通期)

作家略歴:
【葛飾北斎(かつしか・ほくさい/1760–1849)】江戸時代後期を代表する浮世絵師。本名・中島鉄蔵。90歳の生涯の中で3万点以上の作品を残し、風景版画《冨嶽三十六景》で世界的に知られる。絵手本『北斎漫画』や肉筆画にも優れ、ヨーロッパ印象派やアール・ヌーヴォーの芸術にも大きな影響を与えた。晩年まで筆を取り続け、「百歳で神妙の域に達す」と語った芸術探究の姿勢は、今も世界中で敬愛されている。

豊原国周「開花人情鏡 写真」すみだ北斎美術館蔵(前期)
豊原国周「開花人情鏡 写真」すみだ北斎美術館蔵(前期)
葛飾北斎「覗機関」すみだ北斎美術館蔵(通期)
※半期で同タイトルの作品に展示替えをします
葛飾北斎「覗機関」すみだ北斎美術館蔵(通期) ※半期で同タイトルの作品に展示替えをします
葛飾北斎「東叡山御用 御膳海苔所」すみだ北斎美術館蔵(前期)
葛飾北斎「東叡山御用 御膳海苔所」すみだ北斎美術館蔵(前期)

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