「芥川龍之介 余暇のたのしみ ─趣味でつながる田端人たち」田端文士村記念館

名称:「芥川龍之介 余暇のたのしみ ─趣味でつながる田端人たち」田端文士村記念館
会期:2025年9月27日(土)〜2026年2月1日(日)
会場:田端文士村記念館
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の時は火・水曜)、祝日の翌日(土・日の場合は翌火曜)、年末年始(12/29~1/3)
入場料:無料
住所:〒114-0014 東京都北区田端6-1-2
TEL:03-5685-5171
URL:田端文士村記念館

概要:
田端文士村記念館で開催される特別展「芥川龍之介 余暇のたのしみ ─趣味でつながる田端人たち」は、文豪・芥川龍之介(1892–1927)の“趣味の人”としての側面に焦点を当てた展覧会である。幼少期より東西の文化に親しみ、絵画、音楽、演劇、俳句など多様な芸術を愛した芥川の感性は、彼の文学的世界を形成すると同時に、豊かな日常の糧でもあった。本展では、彼の作品の創作背景を「趣味」という視点から読み解き、日々の生活を支えた精神的な余白と美意識を探る。
展示は、芥川が手に取った美術書や観劇ノート、俳句草稿、また彼が交流した芸術家たちとの書簡などを通じて、田端文化圏の芸術的ネットワークを紹介する。田端の文士村には、室生犀星、萩原朔太郎、谷崎潤一郎、菊池寛ら同時代の作家や画家が集い、互いに刺激を与え合った。本展では、絵画や書画、写真資料を通して、彼らが共有した「美」と「遊び」の精神が再現される。
さらに、芥川の文学における“趣味と美の融合”にも注目する。彼の作品には、生活の一瞬の感情や風景が繊細に描かれ、文体そのものが芸術的構成を帯びている。本展では《地獄変》《舞踏会》《河童》などの作品と関連する資料を展示し、芸術家としての眼差しがどのように形成されたかを浮かび上がらせる。趣味を通じて人と人がつながり、芸術が生活の延長にあった大正期の文化的情景を、来場者は身近に感じ取ることができるだろう。
作家略歴:
芥川龍之介(1892–1927)は、明治末期から大正期にかけて活躍した日本近代文学を代表する作家。東京市京橋区生まれ。第一高等学校、東京帝国大学英文科卒業。夏目漱石の門下として文壇に登場し、「羅生門」「鼻」「地獄変」などで独自の文体と知的構成力を示す。1920年代には『歯車』『河童』など心理的内面を主題とする作品を発表し、時代の不安を繊細に描いた。1927年、35歳で自ら命を絶ち、その短い生涯は後世に深い影響を与えた。田端に居住し、同地の文士や芸術家たちと深く交流した。








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