〈コレクション展〉「没後70年 日本画家・中島菜刀(後編)」鳥取県立美術館

〈コレクション展〉「没後70年 日本画家・中島菜刀(後編)」鳥取県立美術館

名称:〈コレクション展〉「没後70年 日本画家・中島菜刀(後編)」鳥取県立美術館
会期:2025年10月9日(木)~2025年12月7日(日)
会場:鳥取県立美術館
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし10月13日、11月3日、11月24日は開館)、10月14日、11月4日、11月25日
観覧料:一般400円(団体320円)、学生・70歳以上200円、高校生以下無料
住所:〒682-0816 鳥取県倉吉市駄経寺町2-3-12
TEL:0858-24-5442(代表)
URL:鳥取県立美術館

概要:
鳥取県八頭町出身の日本画家・中島菜刀(1902–1955)は、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で学び、詩情豊かな色彩表現で知られる画家であった。戦前の院展で入選を重ね、1942年には郷里の果樹園を題材とした《薫風梨園》で第29回院展の最高賞を受賞し、その才能は高く評価された。しかし戦局の悪化によって創作活動の場を奪われ、戦後も中央画壇への復帰を果たせぬまま、1955年に53歳で逝去した。

没後70年を迎える本展では、菜刀の画業を前後編に分けて紹介し、後編では晩年に至るまでの作品群を中心に展観する。豊かな自然を題材にした風景画や、人物の内面に迫る抒情的な作品など、戦中・戦後の困難な時代を生き抜いた画家の真摯なまなざしが息づいている。筆致は穏やかでありながらも、対象に宿る生命感をとらえ、光と空気の移ろいを独自の感性で表現している。

《薫風梨園》をはじめとする代表作には、郷土の風土と日本画の新しい表現とを融合させようとした中島の意欲が感じられる。戦時下であっても自然の恵みを見つめ続けたその眼差しは、画家の精神の強さと詩的感受性を物語る。

今回の展示では、鳥取県立美術館の収蔵品に加え、郷土ゆかりの資料や関連作品を通して、中島菜刀が遺した芸術の軌跡をたどる。郷土の自然を愛し、静謐な美を描き出した画家の世界が、70年の時を経て新たに甦る。

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