名称:川端明里 「山はなにもはなさない」亀戸アートセンター
会期:2023年9月2日(土)~2023年9月17日(日)
会場:亀戸アートセンター
開館時間:16:00 〜 22:00 土曜日・日曜日は13時〜19時
休館日:木曜日
入場料:無料
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸9-17-8 KKビル101
TEL:090-5433-0883
URL:亀戸アートセンター
亀戸アートセンターは、川端明里個展「山はなにもはなさない」を開催いたします。
川端は、女子美術大学に入学後、ワンダーフォーゲルサークルに入ったのを機に山の存在に魅了され、学生時代から一貫して「山」をテーマに作品を制作している作家です。
彼女が山に行く理由として、登頂を目的とするピークハントではなく、それよりも遠くから山を見た時に「あの中に一体何があるんだろう」といった思いが強くあり、山の内部それ自体に入っていくことで見えてくる景色や転がっている石を見ることでそれを体感し、考えを巡らすことに興味があると言います。
そういった経験から山という、その存在についてずっと考えている彼女は、これまで山を表現する手段として油画、木彫を経て、主体性よりも環境や偶然性に影響されやすく、自然との親和性も高い陶芸というメディアでの表現に辿り着きます。
山ってなんだろう?という疑問の、彼女のひとつの答えが本展のタイトルにもなっている「山はなにもはなさない」です。
昔から和歌に詠まれたり、命をかけて険しい山頂を目指したりと、人間から山に対して様々なアプローチがなされてきましたが、それに対し山からの返答はない=「話さない」ということ。また、「なぜこんなきつい思いをしてまで登るんだろう」と思っても、また何度も山に惹き寄せられてしまう魅力といった意味での「離さない」、転じて「受け入れてくれる」という意味も込められており、そこには彼女の山へのある種の信頼のようなものを感じ取ることができます。
安定して陶器を焼成できる機械式の窯と違い、人が終始側で見守りながら薪をくべることで窯内の温度や灰のかかり方、炎の状況が変わり、また、天候や燃料の状態など様々な要素がダイレクトに作品に影響される「薪窯」で焼成される彼女の陶芸作品は自然の中に存在する山と同様、その時の環境でしか生まれ得ない唯一無二の色合い、表情を纏っています。
本展示は、大小合わせて30点以上の作品で構成されます。静かに佇む作品群は、心地よい緊張感と誰でも受け入れてくれる寛容な面持ちで鑑賞者を迎え入れます。
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