「王 舒野 展 ―「桜」見る前に-」日本橋高島屋S.C.(本館)

「桜の時空ヌード・即(185)」60.6×80.3cm 油彩・キャンバス

名称:「王 舒野 展 ―「桜」見る前に-」日本橋高島屋S.C.(本館)
会期:2024年3月27日(水)→4月15日(月)
会場:本館6階 美術画廊X
住所:〒103-6190東京都中央区日本橋 2-5-1
TEL:03-3246-4310 本館6階 美術画廊(直通電話)
URL:日本橋高島屋S.C.(本館)

王舒野(ワン・シュウイエ)は1963年中国黒龍江省に生まれ、北京の中央工芸美術学院(現・清華大学美術学院)を卒業後1990年に来日、10年間の黙修期間を経て、現在は鎌倉と中国最先端アートシーンの中心をなす北京の798芸術区にも広大なアトリエを構え、欧州を含め国際的に発表を行っています。 『新朦朧主義』を唱え活動するグループの理論的支柱でもある王は、自身の理想とする思想哲学を絵画やインスタレーションなどの作品によって視覚化することを目指し、特に「見る」という行為に対して独自の展開をみせます。人が視覚によって物事を認識する際は、無意識に合理的な判断をしようとします。そこには属する社会の既成概念や倫理観、文化、個人的な知識や経験、それらに基づく主観や偏見、情緒といった“不純物”が多く介在していると王は考えているようです。人が日常を送るためには避けられない、この認識的反応を全て否定するわけではありませんが、そのような人間中心的な視覚認識の仕方だけではなく、“不純物”を取り除き純粋にリセットされた状態で物事を視る「非認識的視覚」もありうると説き、そうしたものの見方の体験が、人間中心的な世界観にとらわれない方向へ導く一端になるのではないかと仮説を立てます。高島屋で8回目となる今回の個展では、桜を認識の発端のモチーフと設定し、油彩画、朱墨画などにより絵巻物のような会場を構成します。一般的な視認プロセスを揺るがすような朦朧とした筆致は、作品を見ている時間の経過とともに認識の発生と消滅を反復させ、画面に様々なビジョンを顕現させます。“現れる”ことによって“隠れる”ものの見方があり、その往還を繰り返すことによって、視覚がどんどん純化されていきます。また一歩新たなステージに進んだ、王舒野の新作個展を、どうぞご期待ください。

「桜の時空ヌード・即(185)」60.6×80.3cm 油彩・キャンバス
「桜の時空ヌード・即(185)」60.6×80.3cm 油彩・キャンバス

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る