名称:「六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家」21_21 DESIGN SIGHT
会期:2024年9月20日(金)〜2024年10月14日(月)
会場:21_21 DESIGN SIGHT
開館時間:10:00 〜 19:00
9月27日・28日は22:00まで
休館日:火曜日
入場料:無料
住所:〒107-0052東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
TEL:03-3475-2121
URL:21_21 DESIGN SIGHT
ミケーレ・デ・ルッキは建築家として先鋭的な活動を続けるとともに、20年以上にわたって手仕事への情熱から創作活動に取り組み、新たなフォルムを探求し続けてきました。マテリアルの選択から仕上げにいたる、数多くのプロセスにおける絶え間ない実験。その芸術を生成させる力は同時に、彼が建築の新たな概念を思考・定義する原動力なのです。
「六本木六軒 : ミケーレ・デ・ルッキの6つの家」は、デ・ルッキの創作活動の一つである彫刻「ロッジア」シリーズの新作3点を含む、日本初公開となる展覧会です。
発端は2019年。 21_21 DESIGN SIGHTで交わされたデ・ルッキと三宅一生との対話をきっかけに始動した本展は、ギャラリー3の空間のためのプロジェクトであり、会場には木製3点ブロンズ製3点の「ロッジア」=6つの家(セイカーゼ)と名付けられた彫刻作品が、制作過程の映像とともにインスタレーションされます。デ・ルッキは、会場のある六本木の地名が、かつて存在した6軒の武家屋敷に由来するという一説を知り、作品「6つの家」との間に偶然の一致を見出し、本展を「六本木六軒」と名づけました。
6つの家は、アセチル化処理(木材を安定させ、耐水性、耐朽性等を高める酸化処理)を施したオーク材の台座に置かれ、そのディテールのデザインもデ・ルッキが手掛けました。
「木とブロンズはそれによって人類が文明を形成し、人間性を成長させてきた最も古くて高貴なマテリアルなのです」使用したマテリアルには人類学的な意味があるとデ・ルッキは語っています。
デ・ルッキが「ロッジア」の制作のなかで探究したのは、「間(あわい)の空間」の概念。それは、家の内と外をつなぐ空間であり、内で営まれる生活と外の環境が融合する場です。「ロッジア」の壁には、日本家屋の仕切りである障子と、ヨーロッパの住居におけるロッジア(涼み廊下)を想わせる要素が編み込まれています。それは、職人の手仕事に対する共通の価値観を持つと同時に、大きく異なる日本とイタリアの建築文化は、互いを融合させることでより完璧なものになると考えるデ・ルッキが、双方の文化に渡す架け橋と呼べるでしょう。
デ・ルッキにとって「ロッジア」は、人が生きる空間をイメージするための自由な旅のようなもの、パッケージ化された建築の概念から離れ、外の世界を採り入れる透過性のある環境の探求です。
「『ロッジア』は、伝統的な日本の茶室を想わせると同時に、建物の内と外との間に連続的な空間を作り出そうと試みる、現代の先端建築を想起させます。自然の驚異的な力と人間のはかない本質を共存させるため、建築と人と自然との関係はますます重要なものとなり、私たちは生き方の新たなふるまいを模索する必要があるのです」。
本展は、実在する場所について考える一つの方法であり、人々が他者と、都市と、あるいは自然と共に生きる助けとなる、健全な建物とはなにかを模索する場なのです。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。