秋季特別展「徳川美術館展-尾張徳川家の至宝」石川県立歴史博物館

初音蒔絵眉作箱 寛永16年(1639)国宝前期展示 三代将軍徳川家光の長女・千代姫の婚礼調度のうち、女性が眉や額を化粧するための化粧道具。幕府の御用蒔絵師・幸阿弥(こうあみ)家十代長重(ちょうじゅう)の工房が三年近くの歳月をかけて制作した。金銀・赤珊瑚をふんだんに用い、あらゆる蒔絵技術を駆使した、日本の漆工技術の最高峰を誇る名品である。

名称:秋季特別展「尾張徳川家の至宝」石川県立歴史博物館
会期:2021年10月9日(土)〜11月23日(火・祝)
前期:10月9日(土)〜10月31日(日)
後期:11月2日(火)〜11月23日(火・祝) ※11月1日(月)は展示替えのため閉室
開館時間:9:00〜17:00※最終入場は16:30まで
場所:石川県立歴史博物館
主催:「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」金沢展実行委員会
特別協賛:株式会社クスリのアオキ
協賛:日本通運株式会社
特別協力:徳川美術館
協力:北陸中日新聞
住所:〒920-0963 石川県金沢市出羽町3-1
TEL:076-262-3236
URL:石川県立歴史博物館

尾張徳川家は、江戸幕府を開いた徳川家康の九男義直(1600-1650)に始まる御三家筆頭の大名家で、名古屋城を居城とし、江戸時代を通じて徳川将軍家に次ぐ家格を誇りました。
本展では、名古屋の徳川美術館に伝来した家康の遺産「駿府御分物(すんぷおわけもの)」や歴代当主、夫人の所用品に加え、同館のコレクションの中から選び抜いた名品を紹介します。とりわけ国宝「源氏物語絵巻」は徳川美術館以外では巻子装への修復後初めての特別公開であり、三代将軍家光の娘千代姫の調度である国宝「初音の調度」は金銀の蒔絵が施された華麗な婚礼調度です。
また、前田綱紀から五代将軍綱吉に献上された国宝の太刀「津田遠江長光」や、関ヶ原合戦直前の徳川家と前田家との関係をリアルに伝える「前田利長書状」など、加賀前田家ゆかりの貴重な品々も一堂に会します。
国内随一を誇る徳川美術館のコレクションを通じて、大名文化の粋をご堪能ください。

特別公開 国宝「源氏物語絵巻」

紫式部があらわした『源氏物語』は、完成後ほどなくして絵画化が進みます。名古屋の徳川美術館に伝わる尾張徳川家伝来の3巻、東京の五島美術館に伝わる阿波蜂須賀家伝来の1巻は平安時代(12世紀)に成立したとみられる現存最古の「源氏物語絵巻」です。美しい色彩と細やかな筆遣いにより描かれた絵、平安時代の美意識を伝える詞書と料紙からなる本絵巻は、見る者に深い感動を与えてきました。

このたび2016年から5年間にわたる修復を終え、額装から元の巻子装へ戻されました。本絵巻の模写は、江戸時代から行われてきましたが、最近では平成15年(2003)から7年間にわたり、東京藝術大学日本画第三研究室で絵・詞書ともに現状模写が行われ、復元模写は平成11年の林功氏の模写を皮切りに、同17年には徳川美術館・五島美術館所蔵の国宝「源氏物語絵巻」の絵の模写が行われました。

本展では、大切な文化財を後世に伝える取り組みとして、修復事業の一端もご紹介します

国宝 源氏物語絵巻 東屋(一) 平安時代(12世紀)  ※作品保護のため、会期中に展示替えを行います。  〔源氏物語絵巻の展示替え予定〕   国宝 源氏物語絵巻 竹河(二) 10/9(土)~10/24(日)   国宝 源氏物語絵巻 東屋(一) 11/8(月)~11/23(火・祝)    10/25(月)~11/7(日)は復元模写・現状模写の展示となります
国宝 源氏物語絵巻 東屋(一) 平安時代(12世紀)  ※作品保護のため、会期中に展示替えを行います。
〔源氏物語絵巻の展示替え予定〕  
国宝 源氏物語絵巻 竹河(二) 10/9(土)~10/24(日)  
国宝 源氏物語絵巻 東屋(一) 11/8(月)~11/23(火・祝)   10/25(月)~11/7(日)は復元模写・現状模写の展示となります

主な作品紹介

前田利長書状堀久太郎宛(慶長4年[1599])徳川美術館以外では初公開
年代を欠くが、慶長4年9月27日に加賀前田家二代利長(1562~1614)が越後春日山城主・堀秀治(1576~1606)へ送った書状とみられる。利長が金沢から上洛する路次に家康の兵が置かれ、往還人の取り調べがなされていること、こうした状況を受けての利長の対応・情況を報じている。
太刀 銘  長光 名物 津田遠江長光 鎌倉時代(13世紀)国宝 備前鍛冶の流派の一つである長船派の祖である光忠の子・長光の作。鎌倉期の備前刀らしい剛健な姿、丁子乱れの華やかな刃文が魅力的である。かつては織田信長の愛刀であったが、明智光秀が本能寺の変後に安土城の宝蔵から奪い、家老の津田重久に褒美として与え、重久が加賀前田家三代利常に献上した。
太刀 銘 長光 名物 津田遠江長光 鎌倉時代(13世紀)国宝 備前鍛冶の流派の一つである長船派の祖である光忠の子・長光の作。鎌倉期の備前刀らしい剛健な姿、丁子乱れの華やかな刃文が魅力的である。かつては織田信長の愛刀であったが、明智光秀が本能寺の変後に安土城の宝蔵から奪い、家老の津田重久に褒美として与え、重久が加賀前田家三代利常に献上した。
滕王閣図遠坂文雍筆 江戸時代(19世紀) 前期展示徳川美術館以外では初公開 現在の中国・江西省南昌の西南に建てられた唐時代の楼閣・滕王閣(とうおうかく)を描く。江戸画壇の大家・谷文晁の弟子で田安徳川家に仕えた遠坂文雍(とおさか ぶんよう)の作。群青・緑青・代赭などを用いた極彩色の青緑山水図で、かなりの大幅(本紙寸法 縦127.5㎝×横177.6㎝)である。
滕王閣図遠坂文雍筆 江戸時代(19世紀) 前期展示徳川美術館以外では初公開 現在の中国・江西省南昌の西南に建てられた唐時代の楼閣・滕王閣(とうおうかく)を描く。江戸画壇の大家・谷文晁の弟子で田安徳川家に仕えた遠坂文雍(とおさか ぶんよう)の作。群青・緑青・代赭などを用いた極彩色の青緑山水図で、かなりの大幅(本紙寸法 縦127.5㎝×横177.6㎝)である。
秋季特別展「徳川美術館展-尾張徳川家の至宝」石川県立歴史博物館
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