(会期延長Ver.)An Introspective「ロナルド・ヴェンチューラ展-内省」軽井沢ニューアートミュージアム

「An Introspective ロナルド・ヴェンチューラ」軽井沢ニューアートミュージアム

名称:「An Introspective ロナルド・ヴェンチューラ」軽井沢ニューアートミュージアム
会期:2022年04月15日 – 2022年06月26日2021年8月7日(土)〜2022年4月10日(日)
開館時間:10:00~17:00(8月~9月は18時まで)
料金:一般2000円、高大生1000円、中学生以下無料
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
住所:〒389-0102長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1151-5
TEL:0267-46-8691
URL:軽井沢ニューアートミュージアム

1973年フィリピンのマニラに生まれ、現在も同地で制作を続けるロナルド・ヴェンチューラは、2008年、ニューヨークのギャラリーで「肌の形而上学」展において紹介されて以来、欧米各地と台湾や香港などのアジア圏でも作品を発表し注目を集めています。
ヴェンチューラは、自らの起源(アイデンティティー)を繰り返し深く掘り下げ、内省し、人間の表皮である「肌」の表現の可能性を探求しています。
その表現方法は初期作品から一貫しており、多分野を造形的に、且つ哲学的に取り込み、重ね合わせて絵画や彫刻に反映させています。フィリピンにおける長期間に渡るスペインや、アメリカ、日本からの植民地支配の歴史的背景が黙示録的な色合いを付与し、宗教的文化的背景が祝祭性を与えています。その一方で、繰り返し現れる動植物と人間の共生体(キメラ)はフィリピンの民間伝承、土着文化のアニミズム、そしてギリシャ神話の神獣等をも内包した世界を喚起させます。秩序がないようにも見えるこの作家のカオス的世界は、そのままフィリピンの文化の複雑さを反映しています。
「もともとのイメージが意味するものから解き放たれ、他の要素と融合することで、相互に作用し本来の意味を裏切って、一つのイメージを作ることに興味を持っている。(…中略)そのパターンは無限であり、未だ完成をみたことがない。」と本人が言うように作品に見られるエレメントは、自身のアイデンティティに関わる無意識の衝突のメタファーとして読み取ることができます。    
このたび、Karuizawa New Art Museumではヴェンチューラの30年におよぶ作家人生の半ば回顧的な展覧会として、立体から新作の絵画作品まで100点余りを展示します。日本の美術館では初めての試みであり、多くの方々にご覧いただけますと幸いです。

-本展みどころ-
1. 黄金の骨をたずさえる3メートルを超える犬の守り神!?「ボブロ」現る!
2. 漆黒の彫刻群「ブラックスターシリーズ」と、空中散歩する「船」がおりなす幻想的近未来世界!
3. アメリカ生まれの人気ポップアイコンや日本のアニメキャラクターたちが登場する世界の縮図的超大作
4.執拗なまでのオブジェ愛:カラフルなユニコーンの角から溶けるクマまで!

An Introspective「ロナルド・ヴェンチューラ」軽井沢ニューアートミュージアム
An Introspective「ロナルド・ヴェンチューラ」軽井沢ニューアートミュージアム
An Introspective「ロナルド・ヴェンチューラ」軽井沢ニューアートミュージアム
An Introspective「ロナルド・ヴェンチューラ」軽井沢ニューアートミュージアム

———メッセージ

≪ボブロ≫ 2018年 ガラス繊維、樹脂、アクリル、金箔 317.5×165.1×137.2cm
≪ボブロ≫ 2018年 ガラス繊維、樹脂、アクリル、金箔 317.5×165.1×137.2cm

ロナルド・ヴェンチューラ(1973年~)は世界のアートシーンで現在、最も注目されているアジアを代表する作家の一人です。彼の作品はアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国のギャラリーや美術館で紹介され、現代美術の最先端として高い評価を得ています。
ヴェンチューラは無意識の世界を幻想的に表現するシュルレアリスムの手法を現代的にアップデートし社会の様相を表現しています。彼のイマジネーションにより湧き上がる様々なイメージは絵画やオブジェの中で絡み合い、その混沌とした世界は複雑な現代社会を高度な技法と独自のセンスで的確に表現し完成させたものです。
現代アートはわかりにくいという話を聞きますが、彼の作品は人気のあるアニメやゲームのキャラクターと写実的な人間、動物、見慣れた風景や日常生活などが並列して一つの作品中に置かれ、直感的に感じ取れるものが多い作風です。専門的な美術ファンから幅広い年代まで作品の持っている様々な表現やイメージを鑑賞者各々が楽しんでいただけるものだと思います。
今回の展覧会は、この注目すべきアーティストの日本で初めての美術館での展覧会として、過去最大規模の作品群が紹介されます。この機会にできるだけ多くの皆様にご覧いただければ幸いです。

館長 松橋英一

プロフィール

ロナルド・ヴェンチューラ(1973年~)
ロナルド・ヴェンチューラ(1973年~)

作家略歴
1973 フィリピン、マニラに生まれる
1993 アジア最古の大学フィリピンマニラにある聖トマス大学絵画学科卒業
    卒業後、母校で美術講師としてしばらく働く
2005 「ヒューマンスタディシリーズ」でオーストラリア・シドニーのアーティスト・イン・レジデンスの奨学金受賞
2009 「肌の形而上学」(タイラーロリンズファインアートギャラリー、ニューヨーク、アメリカ)
2011  サザビーズ(香港)で絵画《Grayground》が東南アジアのアーティストとして最高額で取引される
「サウザンアイランズ」(千の島)(タイラーロリンズファインアートギャラリー、ニューヨーク、アメリカ)
「ヒューマニム1」(ファインアートセンター、台北、台北)
2013  「空虚と鳥かご」(ペロタンギャラリー、香港、中国)
2014 「ブルル(道祖神・地蔵)-ロナルド・ヴェンチューラとフィリピンの伝統的なアート」(ルガーノ文化博物館、スイス)
2016 「プロジェクト:家を探して」(MOCA、台北、台湾)
    2018 「コミックライブス」 (Whitestone Gallery、東京、日本)
2021 「コミックストライプス」(Whitestone Gallery、東京、日本)
   「ロ ナルド・ヴェンチューラ展-内省」(軽井沢ニューアートミュージアム、 長野、日本)
            ほか多数。

≪無題≫ 2021年 油彩・キャンバス 304.8×213.4cm
≪無題≫ 2021年 油彩・キャンバス 304.8×213.4cm
≪コミコスミック2 ≫ 2020年 油彩、キャンバス、ガラス繊維、樹脂製フレーム 96.5×78.7cm
≪コミコスミック2 ≫ 2020年 油彩、キャンバス、ガラス繊維、樹脂製フレーム 96.5×78.7cm
≪ハイパービースト≫ 2017年 ガラス繊維、樹脂、鉄、油彩、ポリウレタンペイント 71.1×256.5×116.8cm
≪ハイパービースト≫ 2017年 ガラス繊維、樹脂、鉄、油彩、ポリウレタンペイント 71.1×256.5×116.8cm

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る