名称:トーク&ワークショップ 「クイアな『反言語』としてのルブンジャ」東京藝術大学 上野キャンパス
会期:2024年11月17日(日) 事前予約制
開館時間:15:00 〜 18:00
入場料:無料
会場:東京藝術大学 上野キャンパス
住所:〒113-0031 東京都文京区根津2-19-7
TEL:03-5797-7040
URL:東京藝術大学 上野キャンパス
『クイアな「反言語」としてのルブンジャ』は、「ルブンジャ」の多様な側面について探求するイベントです。ルブンジャとは、一部のゲイ男性やトランス女性が話すスラング、セックスワーカーが使う隠語、ゲイ・スラング、クィア・スラング、LGBTQ スラングなどといった、さまざまな形で定義されてきました。同時に、トルコのクィア・コミュニティにおけるアイデンティティと抵抗を体現しているものでもあります。本イベントのゲストであるリリス・バルダクチュは、ルブンジャは「ルブンヤ」によって話される「反言語」であり、 この反言語としてのルブンジャは覇権的な社会規範とは異なるルブンヤたちの現実を明らかにするものだと述べています。ここでいう「ルブンヤ」とは、ゲイ、レズビアン、トランスといったカテゴリーを超え、非規範的な生き方をするクィアな主体を意味する言葉です。
バルダクチュはトークセッションで、ルブンジャの単語の語源やその歴史的背景をめぐる解説を行うとともに、ルブンジャの社会言語学的機能や、プライバシーと連帯の手段としての役割について論じます。ルブンジャをめぐる先行研究において、ルブンジャはクィア主体間のコミュニケーションを容易にし、クィア・コミュニティを社会的もしくは法的な制裁から守る役割を果たしているといわれています。Kontovasが指摘するように、ルブンジャの発祥地であるイスタンブールのベイオール地区は、ゲイやトランスジェンダーのセックスワーカーが多くいた場所であり、また、ロマの人々をはじめとする非イスラム教徒も多く住む地域でもありました。ルブンジャを通じて、こういった数々の集団が連帯し、政府の法的執行や処罰に対抗する機会を得ることができました。今日では、ルブンジャはコミュニティ外の人を排除しながらも、性的なことや犯罪をめぐる課題を議論する言語媒体となっています。さらに、ジェンダー・パフォーマンスにおいて使用される動的な道具ともなりました。例えば、LGBTI+の活動家やYouTuberが、ルブンジャを話すことによって、公共空間やメディアにおいて自分たちの可視性を高めています。本イベントでは、ルブンジャについてさらに深く考え、それが話されることによって新たな現実が構成される過程を明らかにします。バルダクチュは、Hallidayの「反言語」概念に沿って、ルブンジャはトルコ語の構造をもとにしながら、語彙を変えていき、性、ジェンダー、犯罪や社会階級などをめぐる規範が再定義される「対抗社会」を形成すると指摘します。イスタンブールのÜlker通り(多くのクィアなセックスワーカーが以前住んでいた場所)の文化がこういった「対抗社会」を具現化していることは、Podgoreckiの「セカンドライフ(second-life)」概念とも類似しているといえます。
今回のセッションでは、バルダクチュがルブンジャを定義した上で、それが秘密やプライバシーを保証するだけでなく、独特のクィア・アイデンティティの表現と保存を促進する反言語として、ルブンジャを位置づけます。さらに、ワークショップを通じて、ルブンヤたちのジェンダーと性に対する認識がどのような変遷を辿ってきたのか、そして、このような変遷がルブンジャという反言語の発展にどのような影響を与えてきたのかを、参加者とともに探求し、遊び心をもって学び合います。
会場: 東京藝術大学上野キャンパス 国際交流棟3Fコミュニティサロン
ゲスト: リリス・バルダクチュ(オンライン)
言語: 日本語/英語
トークイベント: 15:00〜16:15
ワークショップ: 16:30〜18:00
定員: 50名
※トークイベント+ワークショップは定員に限りがありますので、事前にご予約いただいた方を優先させていただきます。予約方法: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdKV-Xby9AGCNQH4dfdcNmXjcC5d7qMfGbfzqkThlEf2V7Sbg/viewform
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