特別展「谷文晁が見たもの、画いたもの~アトリエ写山楼訪問~」東京黎明アートルーム

特別展「谷文晁が見たもの、画いたもの~アトリエ写山楼訪問~」東京黎明アートルーム

名称:特別展「谷文晁が見たもの、画いたもの~アトリエ写山楼訪問~」東京黎明アートルーム
会期:2024年11月13日(水)〜12月25日(水) 
会場:東京黎明アートルーム
観覧料金:一般800円
休館日:11月17日、12月3日、12月23日
住所:〒164-0003 東京都中野区東中野2-10-13
TEL:03-3369-1868
URL:東京黎明アートルーム

中国絵画、狩野派、やまと絵、琳派など諸派を広く学び、西洋の遠近法や陰影法を用いた作品も描いた谷文晁(1763~1841)。文晁の画域の広さと、古画など文化財に対する興味・関心の豊かさに近年注目が集まっている。
本展では、「和・漢・洋」それぞれの画法を画本や版本、本画などを通して徹底的に学習し、それを自分なりに体得することによって表現の幅を広げた、江戸画壇において唯一無二の存在である文晁の特異な画業を、文晁の残した模本や粉本、絵手本類を展示の中心に据え、紹介する。
文晁の画業を語る上で欠かせない要素の1つに、幅広い人脈がある。寛政の改革で知られる松平定信は老中引退後、文化財をめぐるプロジェクトを進め、文晁はそのメンバーとして、多くの古美術品を模写する機会に恵まれた。定信の命による公の仕事をこなし、全国各地を旅し、道中の景色や古文化財を写す機会を得るだけでなく、文人たちとも交流を深めた。こうした、文化財や文人との接触の一端を複数の縮画帖を通して紹介する。縮画帖とは、写真やコピーのない時代に絵画などを縮写したもの。画家のいわば手控え帳で、中には人物・風景なども写生する。文晁の縮図帳は現在所々に分蔵されているが、本展では「花鳥図藁」・「過眼図藁」など10冊の縮画帖を展示。これらの画帖は、文晁がどんな作品を見たのか、また、誰のためにどんな図様の作品をどのような過程で制作したのか、といった疑問に答えてくれる、文晁研究になくてはならない貴重な資料である。
加えて、文晁は教育者としても優れ、画塾「写山楼」を開き、渡辺崋山ら多くの門人たちを育てている。本展では、画塾で使用された画像データベースともいうべき膨大な「写山楼画本」の中から厳選した粉本や模本を紹介し、画技の習得をめざし模写と創造を繰り返した谷文晁が率いた一門の息吹を感じとってもらいたい。
日本有数の文晁コレクター秘蔵の作品を中心に、文晁の勢威を示す約40件の作品(本画、粉本、模本、絵手本)を展観。文晁が何を見、何を写したのかということに着目しながら、文晁の歩んだ画業、驚くほど豊かな画域を楽しんでほしい。

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