「遠藤享追悼展」南アルプス市立美術館

「遠藤享追悼展」南アルプス市立美術館

名称:「遠藤享追悼展」南アルプス市立美術館
会期:2024年12月7日(土)〜2025年2月9日(日)
会場:南アルプス市立美術館
開館時間:9:30 〜 17:00
休館日:12月9日・16日・23日・28日~1月4日、1月6日・14日・20日・27日・2月3日は休館
入場料:一般 320円、大学生 260円
住所:〒400-0306山梨県南アルプス市小笠原1281
TEL:055-282-6600
URL:南アルプス市立美術館

追悼展 1933(昭和8)年に甲府市に生まれた遠藤享は、武蔵野美術学校を中退後、桑沢デザイン研究所でグラフィックデザインを学びました。長年にわたり日本を代表するグラフィックデザイナーとして高い評価を受ける一方で、石版画とオフセット印刷を融合したグラフィックアートの確立や、1990年以降はコンビューター・グラフィックスを駆使しながら、マッキントッシュの”フォトショップをいち早く取り入れるなど、デジタル印刷の技術革新にも積極的に取り組んだ、日本の先駆的で草分け的な版画家としてもよく知られています。
また、グラフィック以外でも、旭山動物園のロゴマークや当館のロゴマーク、オリンパスのネオンサインのデザインなど、実に幅広い作品を多く手掛けてきた作家でもありました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、やむなく開催を1年延期した2021年の南アルプス市立美術館での回展が終了し、昨年7月には第2の故郷でもある北海道の道立旭川美術館でも回顧展が開催されましたが、図らずもオープニング直前に突然の病に倒れ、今年の2月10日の朝に90年の生涯を閉じました。
これまで実に多くの国際展で受賞を重ね、東欧諸国では国際審査目としても豊富な経験をもち、中でもブルガリアとは特に深い交流を重ね、2009年には長年の功績によりブルガリア政府から「金の月桂樹賞」が授与されています。
作品の多くは東京国立近代美術館や大英博物館など、国内外の著名美術館約50館余りにも収蔵されており、作風は一貫して <SPACE & SPACE) されたテーマで表現され、中でもNATUREのシリーズは、彼が最も関心を寄せた旧ソ連出身のアンドレ・タルコフスキーの映像美学からの影響を色濃く反映していると言われています。まるでトリック映画を観ているかのような(SPACE &SPACE)シリーズは、時間の経過を結合した合成的な実存世界へと変化させているようにも思え、それは、亡くなる間際まで遠藤享が求め続けた理想的な美の世界であり、彼の生き方と人生そのものだったように思えるのです。
南アルプス市立美術館 館長 向山 富士雄

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