山本高之 「どんなじごくへいくのかな」角川武蔵野ミュージアム

山本高之 「どんなじごくへいくのかな」角川武蔵野ミュージアム

名称:山本高之 「どんなじごくへいくのかな」角川武蔵野ミュージアム
会期:2025年2月8日(土)~5月6日(火・祝)
会場:角川武蔵野ミュージアム
休館日:毎週火曜日(ただし2月11日(火)、4月29日(火)、5月6日(火)は開館)
開館時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人 角川文化振興財団)
入場料:一般 1400円、高校生・中学生 1200円、小学生 1000円、未就学児 無料
住所:〒359-0023埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
TEL:0570-017-396
URL:角川武蔵野ミュージアム

子どもたちが考え、生みだした「じごく」を通じて表現することの意味を考える
「因果応報」という言葉は、すべての出来事は何らかの原因によって生じた結果であると考える仏教の教え(因果律)から来ています。それゆえ死者が地獄へと堕ちるのも、現世での悪い行いの結果ということになります。
山本高之の《どんなじごくへいくのかな》は、江戸時代に流行した「地獄絵《熊野観心十界曼荼羅》」の鑑賞を通して、子どもたちにそうした考え方を伝え、自分の周りにいる地獄へ行くべき人、そしてその人が行くべき地獄について考えさせることから生まれた作品です。12人の子どもたちが取り組んだ12の地獄の造形と、その地獄について子どもたち自身が語る映像で構成されています。
「えーっ、そんなことで地獄へ行っちゃうの?」と思わず笑ってしまいそうなユーモア溢れる作品としての側面も持っていますが、大人から見ればたわいのない出来事が、子どもたちにとってはとても大きなことであることを体感し、子どもの世界への理解を促す作品でもあります。
また、自分の中にあるどうしようもないネガティブな感情が、表現を通して昇華し、別のものへと変化していく「表現行為の意味」について考えさせてもくれます。子どもたちは、山本高之との対話を通して、自分が抱いた不快感の原因を掘り下げ、堕ちるべき地獄の有り様を考えることを通して、自分自身の感情を別の次元へと飛躍させていると言うことができます。自らの感情を出発点としながら、そこから創造のプロセスを経ることによって、感情が別のものへと生まれ変わる可能性を見せてくれる本作品は、現代社会における創造的表現の意味や価値について考えさせてくれるものです。

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