「内田 あぐり 展 -安里/積層-」日本橋高島屋S.C.(本館)

《河-II》15.5×10.5cm 2025年 岩絵具、顔料、墨、銀泥墨、膠、雲肌麻紙

名称:「内田 あぐり 展 -安里/積層-」日本橋高島屋S.C.(本館)
会期:2025年3月19日(水)~ 4月7日(月)
会場:本館6階 美術画廊X
入場料:無料
住所:〒103-6190東京都中央区日本橋 2-5-1
TEL:03-3246-4310 本館6階 美術画廊(直通電話)
URL:日本橋高島屋S.C.(本館)

内田あぐり氏は、膠や和紙など伝統的な日本画材による描画に拘りながら、原初から人間が背負うテーマを身体的なストロークで描きだす画家です。画面からイメージされるのは“存在を確かめるかのような傷”、そしてその痕跡を塞ぐようにコラージュを施し、あるいは縫い合わせる、破壊と再生行為の連鎖。それはまるで漠然とした、しかし確かにそこにある何かを、画布という依代で感受するための儀式のようです。これまで一貫して人間やその人体フォルムのモチーフを中心に制作を続けてきましたが、近年は河川や風景を題材にした作品も描くようになり、生命の循環や、より広い自然観から人間を俯瞰するステージにも入ってきました。
本展を象徴する幅約10メートルにおよぶ大作は、沖縄県那覇市街を流れる川にインスパイアされた作品です。内田氏が直感的に選んだ特に変哲もないその二級河川は、沖縄の凄惨な歴史の目撃者でもありました。作品に立ち顕れるのは、時間、空間、異なる属性の人間や文化、感情が、様々に交錯し折り重なった堆積層。本展ではこの大作を中心に、内田作品の根幹に迫る新作・近作によるタブローの中・小品やドローイングを展示いたします。その中で柘榴(ザクロ)の作品は、画家自身の命名の由来にもなった自我に繋がるモチーフであり、また図らずも川の大作の隠喩としても機能しています。

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