特集展示「阿弥陀仏―おわす・みちびく・あらわれる―」半蔵門ミュージアム
- 2025/8/6
- 東京
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名称:特集展示「阿弥陀仏―おわす・みちびく・あらわれる―」半蔵門ミュージアム
会期:2025年9月13日(土)~2025年12月28日(日)
会場:半蔵門ミュージアム
時間:10:00~17:30 (最終入場時間 17:00)
休館日:月曜日 火曜日
観覧料:無料
住所:〒102-0082東京都千代田区一番町25
TEL:03-3263-1752
URL:半蔵門ミュージアム

今期の特集展示は、西方極楽浄土の教主である阿弥陀如来に注目します。大乗仏教では宇宙にはたくさんの仏陀がおり、それぞれ自分の国=仏国土を主宰していると考えています。仏国土は清らかなので、浄土とも呼ばれました。浄とは「清い」という意味です。阿弥陀如来の浄土は「極楽」という名称です。そこには苦しみがなく、楽しいことで満たされているからです。阿弥陀如来はそこにおわします。極楽に往生(行って生まれること)したいと思う者を必ず迎え取るという誓願をたてたことから、他の浄土にもまして人々の信仰を集めることとなりました。
阿弥陀信仰は日本には早くも飛鳥時代に伝来し、造像が始まりました。奈良時代には彫像のほか、大画面の阿弥陀浄土図が描かれていたことも記録に残っています。平安時代前期に密教が到来すると、阿弥陀如来は西を代表する仏陀として両界曼荼羅に登場します。平安時代後期には、末法到来の世相を背景に極楽往生の願望が高まり、阿弥陀如来像と対面して修行するための阿弥陀堂が盛んに造営されました。また、阿弥陀如来が極楽から迎えに来る情景を描く来迎図は、まだ定型化されない多様性を見せます。鎌倉時代になると、専ら阿弥陀如来のみを信仰する、浄土宗や浄土真宗のような浄土教系の新しい宗派が生まれ、阿弥陀如来の名前を口で唱える平易な修行法「口称(くしょう)念仏」が普及して、その本尊の定型的な阿弥陀如来像も多数造られます。阿弥陀がこの世にあらわれる姿です。
展示はまず、修理が完成した阿弥陀如来像のお披露目から始まります。浄土教系の仏堂の本尊として、最も多く造られた「三尺阿弥陀」の一例です。次に、浄土真宗独特の本尊である方便法身(ほうべんほっしん)像を紹介します。正面を向いて虚空に一人立つ阿弥陀如来が、全身から金色の光を放ち世界を照らしています。
来迎図では、諸尊が雲にのって飛来します。展示する2点の阿弥陀三尊来迎図は、ともに聖衆(しょうじゅ)として観音菩薩と勢至菩薩を伴っており、鎌倉時代後期以降に流行したタイプの作例です。一方、阿弥陀聖衆来迎図では、奏楽菩薩を交えた10名の聖衆が阿弥陀如来を囲んでいます。このような阿弥陀十一尊来迎図は、のちに融通念仏宗の本尊となりました。阿弥陀は人びとをみちびくのです。















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