「波間の体― 島々の性と文化」デカメロン

  • 2025/8/17
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「波間の体― 島々の性と文化」デカメロン

名称:「波間の体― 島々の性と文化」デカメロン
会期:2025年8月15日(金)〜2025年8月31日(日)
会場:デカメロン
開館時間:20:00 〜 3:00
休館日:月曜日
備考:※18歳未満入場不可
入場料:500円
住所:〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-12-4
TEL:03-6265-9013
URL:デカメロン

2025年8月15日より、新宿・歌舞伎町のアートスペース「デカメロン」にて、展覧会 「波間の体 ― 島々の性と文化」 を開催いたします。
本展は、日本とハワイ、それぞれの歴史のなかで育まれてきた性のあり方と、その表現文化に焦点を当てます。
会場では、渓斎英泉による笑本をはじめとした実物の春画を展示し、江戸時代の人々が春画に触れてきた空気感を追体験できるような距離感でご鑑賞いただけます。さらに、ネイティブ・ハワイアンのルーツを持ち、ハワイ語を第一言語として育ったアーティスト Koa へのインタビュー映像も上映いたします。ハワイ文化における性やアイデンティティの価値観、hula や mele ma’i(性器を讃える詩歌)などの表現、その歴史的変遷、そしてそれらを未来へつなぐ重要性を、当事者の語りを通してご紹介いたします。
春画が「笑本」と呼ばれるように、そこにはユーモラスで祝祭的な表現が多く見られ、性の欲動や子孫繁栄の願いが持つ創造的な側面を感じとることができます。しかし、そうした豊かな表現を支えていた社会の影には、搾取的な遊郭制度や人身売買制度、そして男性優位的な権力構造が存在していました。このような背景を踏まえると、当時の性表現を単にユーモラスで自由なものとして再評価することには慎重さが求められます。同時に、誰が何を、そしてなぜ「野蛮」や「猥褻」と定義するのかを問い直すことは、現代においても重要な意味を持ちます。
一方、ハワイの性表現は、古来より生命や性の悦びを祝福する独自の文化として育まれてきました。しかし、19世紀以降の植民地主義的な支配や経済構造の変化の中で、性的搾取が広がり、そのうえ元来の性表現は外来の規範や価値観によって制限されるようになっていきました。
本展は、異なる二つの歴史的表現を並置することで、私たちが無意識のうちに内面化してきた“近代的”な視点をほどき、性やアイデンティティの多様なあり方、そしてそれらを取り囲む社会について、あらためて見つめ直す機会といたします。

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