「朝鮮の文字図とかわいい絵」高麗美術館

  • 2025/9/1
  • 「朝鮮の文字図とかわいい絵」高麗美術館 はコメントを受け付けていません
「朝鮮の文字図とかわいい絵」高麗美術館

名称:「朝鮮の文字図とかわいい絵」高麗美術館
会期:2025年9月1日(月)〜12月7日(日) 
会場:高麗美術館
観覧料金:一般500円ほか
休館日:月曜日、火曜日(9月15日、9月23日、10月13日、11月3日、11月24日は開館)
住所:〒603-8108京都府京都市北区紫竹上岸町15
TEL:075-491-1192
URL:高麗美術館

朝鮮時代の文字図はなんとも不思議な絵画である。中国や日本にも「花文字」のようなカラフルでとても縁起の良い絵画で、使われる漢字の中に良い意味を持つ吉祥文字を描いている。ところが朝鮮の文字図はもっと道徳的な意味合いが強く感じられる。中国のように龍や鳳凰が登場するのではなく、儒教の中の「孝(親孝行)、悌(兄弟愛)、忠(忠誠)、信(まこと)、礼(規範)、義(道理)、廉(清廉)、恥(恥を知る心)」の八文字を中心に展開されている。色合いも派手な装飾性を排除しながら、より深く儒学の本質を伝えようとした画人の工夫がみてとれる。より視覚的で親しみやすい文字図は、生活の中に儒学の基本を定着させる役割を果たした。朝鮮王朝の後期(18世紀以降)には、庶民たちも社会や文化に関心を持つようになっていく。そして文字図は一般庶民の教養を高める大きな力となり、広く普及しはじめた。すると文字図は装飾性がより重視され、朝鮮時代の生活美を代表するジャンルとして定着した。そして長寿や福、子孫繁栄などを願う世俗的な願望を反映した絵に発展していった。以後の時代にわたって、朝鮮民画の中心的な絵画としていまでも受け継がれている。
本展では儒教が決して古い学問ではなく、現代でも思想的に共感する内容を見出すことのできる現代アートであることを体験してもらう。そこには東アジア共通の文化である漢字のもつ力とユーモア、そしてそれを大切に受け継いできた人々の素朴な願いを感じてもらいたい。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 山田和 個展「得体の知れないエネルギー、カオスの時代―桃山サンバ」桃青京都ギャラリー
  2. 「昭和のホーロー看板展」アドミュージアム東京
  3. 「第27回市民作品展」天童市美術館
ページ上部へ戻る