只野彩佳 個展「路望の草、かなたへの導き」CALM & PUNK GALLERY

  • 2025/9/19
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只野彩佳 個展「路望の草、かなたへの導き」CALM & PUNK GALLERY

名称:只野彩佳 個展「路望の草、かなたへの導き」CALM & PUNK GALLERY
会期:2025年10月03日~2025年10月26日
会場:CALM & PUNK GALLERY
開館時間:13:00 ~ 19:00
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布1-15-15 浅井ビル 1F
TEL:03-5775-0825
URL:CALM & PUNK GALLERY 

このたびCALM & PUNK GALLERYでは、只野彩佳 個展「路望の草、かなたへの導き」を開催いたします。只野は和紙や岩絵具、膠など日本画の伝統的な画材を用い、豊かな色彩感覚でおおらかで静かな多幸感を感じさせる作品を生み出しています。その作品の中にある幸福な空間は、無条件の生の悦びでは無く、祈りの体験にも似た豊かな鑑賞体験をもたらしてくれます。東日本大震災の被災の経験を背景に「美しい瞬間」を描き出すその表現は、現実の風景と心象の多層の重なりを示唆します。
只野は2023年にGASBON METABOLISMで開催された雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラムの成果展「Diffusion of Nature2023土と夢」に参加いたしました。雲ノ平という自然環境での滞在制作を通じて、光・湿度・空気の変化や景観の距離感を五感で捉えた体験は、只野が絵画空間を創り出す上で色彩や構成に加えて独自の新たな次元を意識する経験となりました。
本展では、大型作品に加え新作6点を発表いたします。タイトル「路望の草、かなたへの導き」は、「路傍」と「希望」を組み合わせた造語であり、ふと出会う景色の中に潜む希望を見出し、それを未来への導きとして提示するものです。これまでの宮城・滋賀での活動を経て、さらに海外へと視野を広げていく只野にとって、本展はその歩みを示す重要な位置づけとなります。
会期中には、開幕レセプションや小田原のどか氏を招いたトークイベント、対話型鑑賞プログラムなども開催いたします。ぜひこの機会にご高覧ください。
ステートメント
 和紙に、岩絵具、銀箔、膠などを用いて絵画を制作しています。人々の暮らしも自然も変わらないものはない中で、この世界の輝きと痕跡を拾いながら新たな風景を描こうとしています。私の作品に影響する自然や景色に対する価値観は、故郷での震災経験が始まりです。途方もない世界の中でも、美しい景色の瞬間がありました。それを美しいと思うことは明日や未来への希望でした。私の描く景色の色は、世界がきらめいて見えた時の空気や、積み重なる時間を表しています。この世界の美しい形や景色を知りながら、私は自分や誰かにとっての居場所になるような風景を描き記したいと考えています。
本展覧会のタイトル「路望の草、かなたへの導き」は、みちばたを意味する「路傍」と「希望」を掛け合わせた「路望」という造語を使っています。ふと出会う景色の中にある希望と、自分を押し返す足元の大地の硬くて柔らかい感覚、目線を遠くに歩んだ先でまた新たな希望と出会うこと。
――その時間を、絵画を通して分かち合えたら嬉しいです。

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