「留守 玲 個展」桃青京都ギャラリー

  • 2025/10/1
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「留守 玲 個展」桃青京都ギャラリー

名称:「留守 玲 個展」桃青京都ギャラリー
会期:2025年10月3日(金) 〜10月25日(土)
会場:桃青京都ギャラリー
時間:11:00~18:00(最終日は16:00まで)
休館日:日・月曜日
料金:無料
住所:〒604-0924 京都市中京区河原町通二条下る一船入町375 SSSビル
TEL:075-585-5696
URL:桃青京都ギャラリー 

⾦属造形作家・留守玲による個展です。留守は、鉄という素材と真剣に向き合い、その熔けて固まる瞬間に⽣まれる表情を探り続けてきました。熔接や熔断といった⼯業技術を⾃らの⼿に取り込み、接合や切断といった本来の機能を超えて、鉄が内に秘めてきた表情や⼒を引き出すことに挑んでいます。
ガス熔接の炎によって様々な表情の鉄のチップや鉄の棒を繋ぎ合わせて形を創り出すその⾏為は、素材と作家との対話そのものです。⽕の当て⽅や熔ける速度を微妙に変えることで、鉄の表⾯は硬さを裏切るかのように柔らかく、時に濡れたような質感を帯びて現れます。その変化を⾒
極める過程は、⼀瞬の刹那と⻑い時間の積層とを同時に抱きしめるような体験であり、作家⾃⾝が「美を⾒つけた」と感じる瞬間に形が⽣まれます。
留守にとって創作とは、単に技法を駆使して形をつくることではありません。鉄という素材が持つ歴史や⽂化、時間の痕跡にまで踏み込み、それらと拮抗しながら新しい姿を⾒いだしていく営みです。 熔け、歪み、積層する鉄の姿は、やがてひとつのオブジェへと結晶し、観る者に思いがけない感覚を呼び覚まします。硬質な⾦属が⾒せる柔らかい表情や、有機的に派⽣していくフォルムは、鉄という素材の固定的なイメージを⼤きく揺さぶります。
本展では、そうした素材との対話の積み重ねから⽣まれた新作を中⼼に展⽰いたします。熔接の技法を単なる⼿段としてではなく「発⾒の契機」としてとらえた作品群は、⼯業技術を超えた創造の場を私たちに提⽰してくれます。そこには、鉄が持つ強靭さや冷たさだけでなく、柔らかさ
や温もり、そして時間の堆積を感じさせる表情が映し出されています。
鉄という⾝近でありながらも近寄りがたい素材の奥に広がる「美」の所在を、ぜひこの機会にご高覧ください。
留守玲
1976年宮城県生まれ。2000年多摩美術大学立体デザイン科クラフトデザインコース金属先週卒業。2002年多摩美術大学大学院美術研究科修了。
2023年より多摩美術大学工芸学科金属プログラム准教授。
主な受賞歴
2001 熊日総合美術展21世紀アート大賞2001:熊本放送賞
2003 財団法人日本文化藝術財団:第11回日本現代芸術奨励賞
2008 第44回神奈川県美術展工芸部門:特選
2016 第27回タカシマヤ美術賞、第2回菊池寛実賞
2017 第34回公益財団法人美術工芸振興佐藤基金 淡水翁賞:最優秀賞
2020 国際工芸アワードとやま:優秀賞
※作家在廊予定日:10/3(金)

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