全国の展覧会・美術館・博物館情報を、わかりやすく・毎日更新でお届けします。

名称：「咲き乱れる〈京琳派〉と〈花鳥画〉 日本画の新境地 西嶋豊彦展」箱根・芦ノ湖成川美術
会期：2025年11月13日（木）～2026年3月11日（水）
会場：箱根・芦ノ湖成川美術館
開館時間：9:00～17:00
休館日：年中無休
入場料：一般1,500円（1,300円）、大学生・高校生1,000円（800円）、中学生・小学生500円（400円）、幼児無料
※（ ）内は団体（10名以上）料金
※障がい者手帳提示で入場料は1,000円、同行者1名も同額
※インターネット特別割引券による割引あり
住所：〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根570番
TEL：0460-83-6828
URL：箱根・芦ノ湖成川美術館

概要：
「咲き乱れる〈京琳派〉と〈花鳥画〉 日本画の新境地 西嶋豊彦展」は、京都を拠点に活動する日本画家・西嶋豊彦による華麗な装飾美と独自の革新性に満ちた作品を紹介する展覧会である。西嶋は、琳派の流麗な美意識を現代的な感覚で再構築し、雅やかで洗練された〈京琳派〉の精神を今に甦らせた画家として知られる。本展では、絵絹の質感を活かした柔らかな彩色による〈花鳥画〉の秀作をはじめ、7メートルを超える龍の大作、半導体をモチーフにした新シリーズ「富士」連作、そして「風神雷神」などの代表的テーマを一堂に展示。伝統と現代の感性が融合する、西嶋芸術の真髄に迫る。

京都の文化的背景を受け継ぎながらも、自然の生命力と人工構造物の象徴性を併置する西嶋の作品は、琳派の装飾性を超えて新たな日本画の境地を切り拓いている。金箔や鉱石顔料を駆使した画面は、華麗さの中に静寂を宿し、光と影、生命と無常の対比を繊細に描き出す。また、花鳥画という伝統ジャンルを単なる美の表現に留めず、自然と人間、時間と記憶の関係性を詩的に再構築する点でも注目される。

展示構成は、初期の花鳥画から近年の抽象的展開まで、西嶋の創作の歩みを体系的にたどるものとなっており、観覧者は日本画が持つ装飾的美と精神性の両面を体感できる。特に「富士」連作では、テクノロジー社会と自然信仰が共鳴し合う新しい日本画の地平が提示されており、伝統の再生と未来への継承というテーマが貫かれている。

作家略歴：
西嶋豊彦（にしじま とよひこ）は、日本画家。京都市出身。京都市立芸術大学卒業後、伝統的日本画の技法を基礎に独自の美意識を確立。花鳥画を中心に、京琳派の様式と現代的素材を融合させた革新的表現で知られる。国内外で個展を多数開催し、文化財保存や日本画教育にも尽力。絵絹を用いた繊細な描写と、金箔・岩絵具の装飾的構成によって、現代日本画の可能性を拓く第一人者の一人である。