「アウトサイド」海浜あみだ湯

名称:「アウトサイド」海浜あみだ湯
会期:2025年11月11日(火)~2025年12月16日(火)
会場:海浜あみだ湯
開館時間:14:00~21:00
休館日:水曜日、木曜日
入場料:無料
住所:〒927-1213 石川県珠洲市野々江町ナ部5-3
URL:海浜あみだ湯
概要:
「アウトサイド」は、能登半島地震で被災した建物の「能登瓦」を救出・保管してきた一般社団法人瓦バンク(代表理事:森山茂雄)が主催し、元国立工芸館特定研究員の石川嵩紘が企画する展覧会である。会場は石川県珠洲市の「海浜あみだ湯」。本展は、震災後の復興過程において文化と素材の継承を試みる活動の一環として、能登瓦という地域の象徴的な建材をめぐる記憶と再生をテーマに掲げている。
瓦バンクは、建築家・坂茂と彼の率いるボランタリー・アーキテクツ・ネットワークと協働し、約1年5カ月の間に2万枚に及ぶ能登瓦をレスキューしてきた。現在では、それらの瓦を新たな建物に再利用するのみならず、能登の歴史と文化を伝える素材として再定義する活動を展開している。その延長線上に位置する「アウトサイド」展では、震災の「外側」にいる立場から地域の風景や人々との関係を見つめ直し、社会における“関わること”の意味を問い直す。
展題「アウトサイド」には多層的な意味が込められている。被災地外の視点を持つ人々による関わりという「外部性」、珠洲という地理的に中心から離れた土地の「周縁性」、そして瓦そのものが屋外で風雨に晒されながら地域の景観を形成してきた「物理的外部性」である。これらの要素を踏まえ、展示では能登瓦の歴史的背景、地域産業としての変遷、そして現代アートとしての再生の可能性が提示される。
出展作家は山本基、七尾旅人、仮( )-かりかっこ-、宮崎竜成、大和楓、池田杏莉の6名。それぞれが能登瓦という素材の物質性と象徴性を多角的に捉え、彫刻、映像、音楽、インスタレーションなど多様な表現で対話を試みる。関連イベントとして、音楽家・七尾旅人によるスペシャルライブも予定されている。
作家略歴:
山本基は塩を素材としたインスタレーションで知られ、生と死、循環をテーマに国内外で活躍する現代美術作家。七尾旅人は独創的な言語感覚と即興的表現で注目される音楽家。仮( )-かりかっこ-は社会的テーマを詩的構成で展開するアートコレクティブ。宮崎竜成は地域文化を素材とした立体表現を行う彫刻家。大和楓は写真と記録を組み合わせたドキュメンタリー的手法で知られ、池田杏莉は環境と身体を主題とする映像作家として活動している。これらの作家が能登瓦を通じ、災害後の地域と外部の関係性を再考する空間を創出する。








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