「日本画の挑戦者たち それぞれの葛藤と探求」山梨県立美術館

名称:「日本画の挑戦者たち それぞれの葛藤と探求」山梨県立美術館
会期:2025年12月6日〜2026年2月1日
会場:山梨県立美術館 特別展示室
開館時間:9:00〜17:00(最終入場16:30)
休館日:12月8日、15日、22日、12月27日〜1月1日、1月5日、13日、19日、26日
入場料:一般1000円(840円) 大学生500円(420円) 高校生以下無料
住所:〒4000065 山梨県甲府市貢川1-4-27
TEL:0552283322
URL:山梨県立美術館

概要:
近代に誕生した「日本画」は、伝統と革新という相反する性格を併せ持つ表現領域である。本展では、明治から昭和にかけて独自の日本画を探究した27名の画家を取り上げ、西洋美術への憧憬、古典の再解釈、画壇への抵抗、画風の刷新など、多彩な試行錯誤を紹介する。また、山梨ゆかりの作家たちをその歴史的文脈に位置づけ、地域から俯瞰する日本画史の広がりを示す。前期と後期に分かれて展示替えを行い、各作家が抱えた葛藤と探求の軌跡を作品を通して提示し、多様に展開する日本画の魅力を鑑賞者に体験させる内容となっている。
アーティスト:
日本画 27名 略歴表(生年順は山梨ゆかり)
横山大観(よこやま たいかん, 1868–1958)
東京美術学校の第一期生。岡倉天心とともに日本画革新を推進。朦朧体を経て日本画の近代化に大きく寄与。
菱田春草(ひしだ しゅんそう, 1874–1911)
東京美術学校で大観らと学ぶ。「朦朧体」創始の中心人物。若くして亡くなるも日本画近代化の象徴的存在。
今村紫紅(いまむら しこう, 1880–1916)
鮮烈な色彩と構成力で明治日本画に新風を吹き込む。晩年にかけて大胆な装飾性を追求。
*近藤浩一路(こんどう こういちろ, 1884–1962)
山梨出身。日本美術院で活動し、文人画的精神と写生を融合した気品ある風景表現を展開。
川端龍子(かわばた りゅうし, 1885–1966)
巨大画面と劇的構成で知られる。青龍社を創設し日本画の自由化・大衆化を推し進めた。
*川﨑小虎(かわさき ことら, 1886–1977)
山梨ゆかり。日本画壇で伝統的な山水や人物画を力強い筆致で描く。
小野竹喬(おの ちっきょう, 1889–1979)
京都画壇を代表する画家。穏やかな自然描写と抑制された日本的抒情で高く評価される。
*穴山勝堂(あなやま しょうどう, 1890–1977)
山梨を中心に活動。伝統技法に根差した山水・花鳥画を展開。
*望月春江(もちづき しゅんこう, 1893–1979)
山梨ゆかり。静謐な人物表現と深い精神性で知られる。
*近藤乾年(こんどう けんねん, 1894–1975)
山梨出身。院展を中心に活躍し、自然と古典へのまなざしを統合した端正な画風。
速水御舟(はやみ ぎしゅう, 1894–1935)
天才的写実とデザイン感覚により日本画を刷新。欧州留学後に大胆な試みを重ねる。
片岡球子(かたおか たまこ, 1905–2008)
独自の色彩と象徴的フォルムで「富士山」「面構」シリーズなど日本画の概念を拡張。
吉岡堅二(よしおか けんじ, 1906–1990)
岩絵具の研究者としても著名。装飾性の高い作品を展開し日本画教育にも貢献。
山田申吾(やまだ しんご, 1907–1996)
人物・風景を温厚な筆致で描き、昭和日本画の揺るぎない基盤を築く。
東山魁夷(ひがしやま かいい, 1908–1999)
精神性の高い静寂の風景で国民的画家となる。青の画面は特に象徴的。
山岡良文(やまおか よしふみ, 1910–2006)
清澄な自然描写で知られる。伝統技法と抒情の融合を探求。
髙山辰雄(たかやま たつお, 1912–2007)
独自のマチエールと精神性の高い人物像で戦後日本画の中心的作家に。
谷口山郷(たにぐち さんきょう, 1912–1998)
自然へのまなざしを軸に、温厚で詩的な画風を確立。
*のむら清六(のむら せいろく, 1914–1992)
山梨ゆかり。伝統的な山水画を現代的視点で再構築。
山崎隆(やまざき たかし, 1916–2007)
人物画・風景画共に幅広く、戦後日本画の安定した写実様式を継承。
岩﨑巴人(いわさき はじん, 1917–2002)
力強い筆線と色面構成で独自の人物画・風景画を展開。
三上誠(みかみ まこと, 1917–2010)
装飾性と深い精神性を併せ持つ日本画家。全国の展覧会で活躍。
横山操(よこやま みさお, 1920–1973)
大胆な構図と情念的表現で戦後日本画を牽引。「赤富士」などで知られる。
*三枝茂雄(さえぐさ しげお, 1921–1998)
山梨ゆかり。地方文化と自然への眼差しを作品に昇華。
中村正義(なかむら まさよし, 1924–1977)
革新的構図・激しい線描で日本画の既成概念を打破した異才。
加山又造(かやま またぞう, 1927–2004)
琳派の装飾性を現代化し、鮮烈な動物画・風景画などで世界的評価を獲得。
長﨑莫人(ながさき ばくじん, 1930–2016)
自在な線と柔らかな色彩で、詩的世界を築いた日本画家。造、長﨑莫人












最近のコメント