名称:「難波田史男:線と色彩」東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2021.10.9[土]- 12.19[日]
開館時間:11:00 - 19:00(入場は18:30まで)
会場:ギャラリー3&4 寺田小太郎メモリアルギャラリー(東京オペラシティ アートギャラリー 4F)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入場料:企画展「和田誠展」の入場料に含まれます。
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
住所:〒163-1403東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL:03-5777-8600
URL:東京オペラシティ アートギャラリー
難波田史男(1941-74)は、画家・難波田龍起の次男として生まれ、1960年に画家を志し74年に32歳の若さで急逝するまでの15年の間に、2,000点を超える作品を遺している。文学や音楽に親しみ、自己の内面を見つめ、溢れ出る心象を描き続けた難波田史男。今回の収蔵品展では、その作品を線と色彩に注目して紹介したい。
第一室では、前半期の作品を展示する。自動筆記のように走る線の集積の中から掬い取られたイメージが、初期から一貫して独自の絵画世界を展開しており、色彩に対する鋭敏な感覚も目をみはるものがある。線と色彩の関係をみても、輪郭線の内側を丹念に埋める着彩やスプレーによる「吹付け」など、様々な技法を試みつつ自身の表現を模索していることがわかる。63-64年頃に特に集中的に描かれたペンによるドローイング群では、小さな画面の中で、時にのびやかに、時に震えるように、線が様々な表情をみせている。
第二室に展示するのは、67年以降に描かれた水彩である。B4ほどのサイズの紙にペンと水彩によって描く手法は、この頃から難波田のスタイルとして確立された。繊細な線で描かれるモチーフは、少年や少女、植物、水泡や種子、風景などを想起させながら、具象的なイメージと抽象的な形態とのあわいで宙づりになっている。線は事物の輪郭であることをやめ、色彩の層が複雑に重なり合う。線と色彩は互いに滲み、溶け合ってひとつの画面となる。それは、内部と外部、自己と他者、夢と現実といったあらゆる境界が曖昧になり、混然一体となった世界といえるだろう。
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