「‐簡素な美を求めて‐ 笠井誠一展」福岡三越

『ギターとカッターナイフのある卓上静物』/50M

名称:「‐簡素な美を求めて‐ 笠井誠一展」福岡三越
会期:2021年10月27日(水) ~ 2021年11月1日(月) [最終日午後5時終了]
場所:9階 岩田屋三越美術画廊
住所:〒810-8544 福岡市中央区天神2-1-1
TEL:092-724-3111
URL: 福岡三越

簡潔な形態とやわらかな色彩でシンプルに構成された作品は見る者に忘れ難い印象を残します。ぜひ深い精神世界と詩情をはらむ笠井誠一展をお楽しみください。

昨年5月に米寿を迎え88年があっという間に過ぎたようにも思えますが、振り返ると様々な想いが甦って 来ます。絵の道を志して上京したのは戦後間もない頃で、物資も食糧も乏しい中、美術界はすでに 復興の機運が高まっていました。激しく移り変わる洋画界の動向の中で、時流とは別に地に根差 した確かな表現を求めており、藝大では伊藤廉の導きを受けることになります。その後渡仏、パリ 美術学校のモーリス・ブリアンションの教室で、フランス流の絵作りを学び、更に技法だけでなく 西洋の古典から中世、古代の美術へと私の関心は広がり、それは現在もつづいています。フランス語 で語られた「より簡素なものが、より美しい」という言葉は日本の美学にも相通ずるところがあります。 30代から身近なものを題材に静物画を中心に創作を重ねていますが、今後もより簡潔で平明な 世界に集約して行きたいと希っています。
笠井誠一

『黄色い器とレモンのある卓上静物』/20P
『黄色い器とレモンのある卓上静物』/20P
『夕顔とりんごと茶碗』/10M
『夕顔とりんごと茶碗』/10M
『りんごと柿のある卓上静物』/8M
『りんごと柿のある卓上静物』/8M
『ぶどうとりんご』/6M
『ぶどうとりんご』/6M
『なんてん』/6P
『なんてん』/6P
笠井誠一
笠井誠一

笠井誠一略歴|Kasai Seiichi
1932年(昭和7) 札幌市に生まれる。
1957年(昭和32) 東京藝術大学美術学部油画科卒業(伊藤廉教室)。
1959年(昭和34) 東京藝術大学美術学部油画専攻科修了。 フランス政府給費留学生として渡仏。
パリ国立高等美術学校 に入学、モーリス・ブリアンション教室に学ぶ。
1960年(昭和35) サロン・デ・ザルティスト・アンデパンダン展出品(以後帰国まで)。 サロン・ドートンヌ出品(~’65)。
1961年(昭和36) 個展(パリ、サン・プラシッド画廊)。 サロン・ドートンヌ出品作《椅子とヴァイオリン》フランス政府買上。
1962年(昭和37) サロン・ナショナル入選(以後3回)。
1966年(昭和41) 帰国、東京に住む。新樹会第20回展出品(~’76最終展)。
1967年(昭和42) 愛知県立芸術大学講師となり、愛知県長久手町に移住。
1968年(昭和43) 滞欧作品展(札幌、丸井今井百貨店)。
1972年(昭和47) 愛知県立芸術大学油画科スタッフによる第1回丘の会(東京、 フォルム画廊、~10回最終展)。
      太陽展(東京、日動画廊、~ 現在)。 八王子にアトリエと住居を新築。愛知、東京往復生活を始める。
1974年(昭和49) 上野の森85年の歩み展(東京セントラル美術館)。藝大時代 とその後の作品等出品。
         黎の会結成、第1回展を東京セントラル美術館で開催(~第25 回最終展)。
    新樹会同人となる。 愛知県立芸術大学教授となる。
1976年(昭和51) 黎の会第3回展より、東京、大阪、富山を巡回。
1977年(昭和52) 和の会結成(銀座和光ホール、~第25回最終展)。
1978年(昭和53) 新樹会の絵画・彫刻の若手作家による昭樹会を結成(日本橋 三越、以後8回)。
1980年(昭和55) 文部省在外研究員として6ヶ月間フランスに滞在。
1982年(昭和57) 第21回国際形象展(日本橋三越本店、~’84, ’86最終展)。 第13回日動展(~現在)。
1985年(昭和60) 第37回立軌会展に同人として参加。
1990年(平成2) 名古屋市芸術賞芸術特賞受賞。画家の軌跡展(東京、青樹 画廊)。
1993年(平成5) 第1回八象会展(日本橋三越本店、’95, ’97, ’99, ’01, ’03)。
1994年(平成6) 国際水彩画ビエンナーレ(メキシコ水彩画美術館)。
1996年(平成8) 第3回ポメリー中部文化賞受賞。
1997年(平成9) ハーモニー美術館開館記念笠井誠一展(尾西市)。
愛知県立芸術大学退官記念「笠井誠一展」(愛知県立芸術 大学芸術資料館、名古屋画廊)。
1998年(平成10) 愛知県立芸術大学退官記念「笠井誠一展」巡回(髙島屋東 京日本橋店、梅田近代美術館)。
愛知県立芸術大学を退官、名誉教授となる。
1999年(平成11) 個展(三越 日本橋/大阪/名古屋/札幌)。
2001年(平成13) 第24回安田火災東郷青児美術館大賞受賞、同賞受賞記念 「笠井誠一展」(安田火災東郷青児美術館)。
2003年(平成15) 東郷青児美術館大賞25周年記念「25人の絵画展」(損保 ジャパン東郷青児美術館)。
2004年(平成16) 個展(髙島屋 大阪/東京日本橋/京都/横浜/名古屋)。
2011年(平成23)『笠井誠一画集』を刊行(求龍堂)。 笠井誠一画集刊行記念展(名古屋・大阪・東京)。
2012年(平成24) 網走市立美術館開館40周年記念「笠井誠一展」。
2014年(平成26) 個展(髙島屋 東京日本橋/横浜/大阪/京都/名古屋)。
2015年(平成27) 札幌芸術展 笠井誠一展(札幌芸術の森美術館)。
2016年(平成28) 個展(日本橋三越本店)。
2018年(平成30) 笠井誠一展―形の世界―(練馬区立美術館)。
2019年(令和1) 北海道文化賞受賞。
現在、立軌会同人、愛知県立芸術大学名誉教授。

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