佐藤亮 + 浦出勝彦 「 – 風の歳時記 加賀・能登だより – 」和光ホール

九谷五彩の紺青をベースに調合した柔らかな墨色と羽を広げて風を受ける鷺の躍動感のコントラストが美しい作品。九谷焼では非常に珍しい手びねりでの成形で作られています。 佐藤 亮作 六稜筒「喜雨(きう)」(17.2×15.5×高さ16.7㎝)

名称:佐藤亮 + 浦出勝彦 「 – 風の歳時記 加賀・能登だより – 」和光ホール
会期:2022.02.10(木)~2022.02.20(日)
開館情報:10:30 〜 19:00
  最終日は17:00まで、年末年始休館
入場料:無料
会場:和光ホール
住所:〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11
TEL:03-3571-1808
URL:和光ホール

お二人の作品に共通するモチーフである花鳥風月から、鳥にまつわる作品4点。表現の違いが際立っています。   浦出勝彦作 左奥/蒔絵盒子「翡翠」(径8.5×高さ3.2㎝) 左前/蒔絵香合「翡翠」(径7.5×高さ3㎝)  佐藤 亮作 右奥/盒子「私雨(わたくしあめ)」(6.5×6.5×高さ5.6㎝) 右前/盒子「隠沼(こもりぬ)」(6.7×6.7×高さ5.6㎝)
お二人の作品に共通するモチーフである花鳥風月から、鳥にまつわる作品4点。
表現の違いが際立っています。 浦出勝彦作 左奥/蒔絵盒子「翡翠」(径8.5×高さ3.2㎝) 左前/蒔絵香合「翡翠」(径7.5×高さ3㎝) 佐藤 亮作 右奥/盒子「私雨(わたくしあめ)」(6.5×6.5×高さ5.6㎝) 右前/盒子「隠沼(こもりぬ)」(6.7×6.7×高さ5.6㎝)

「九谷焼と漆蒔絵という分野の違いはありながらも、浦出さんらしい凝縮された自然観や漆の緻密な仕事を拝見するたびに、私自身の刺激となり、ヒントになっているのです」と、浦出勝彦さんを評する九谷焼の現代作家・佐藤 亮さん。かたや浦出さんは、「佐藤さんの作品には、柔和な人柄や自然への詩的なアプローチが、釉薬の色味や素地の造形にそのまま宿って独特の存在感がある」といいます。
石川県加賀市の田園地帯に工房を構える、九谷焼・佐藤さんは新潟県のご出身。大学卒業後、会社勤務を経て九谷焼の世界へ飛び込み、墨色を思わせる淡彩色の独自表現を確立しました。漆蒔絵・浦出さんは生まれも育ちも石川県輪島市。名工・田崎昭一郎さんの薫陶を受け、伝統的な加飾技法を継承しながら、古典の中に軽やかな意匠を融合させた作風が持ち味です。
異なるバックボーンを持ちながら、石川の豊かな自然風景からモチーフを探されるお二人。今展は、お二人の共通の作品テーマである花鳥風月から、唯一形として存在しない“風”を切り口に展開されます。風を予感させる風景、運ばれてくる香り、風にまつわる季語から生まれる情景。九谷焼と漆蒔絵の2つの表現で繰り広げられる競演をご覧ください。

優しい色味の白漆を背景に、面いっぱいに咲きこぼれる梅花。稀少な日本産漆を使用し、紅梅・白梅は研出蒔絵、金梅・プラチナ梅は漆絵で表現。緑の色漆で描かれた萼がアクセント。   浦出勝彦作 蒔絵箱「梅花繚乱」(14×24×高さ15㎝)
優しい色味の白漆を背景に、面いっぱいに咲きこぼれる梅花。稀少な日本産漆を使用し、紅梅・白梅は研出蒔絵、金梅・プラチナ梅は漆絵で表現。緑の色漆で描かれた萼がアクセント。
浦出勝彦作 蒔絵箱「梅花繚乱」(14×24×高さ15㎝)
佐藤亮 + 浦出勝彦 「 – 風の歳時記 加賀・能登だより – 」和光ホール

佐藤 亮(さとう・りょう)
1946年 新潟県新潟市に生まれる
1970年 早稲田大学卒業
1980年 日本伝統工芸展初入選
1984年 日本工芸会正会員となる
1990年 和光・アートサロンにて個展(2006年まで隔年で開催)
2005年 石川の伝統工芸展 石川県知事賞受賞
2008年 伝統工芸陶芸部会展 日本工芸会賞受賞
2011・14年 和光ホールにて個展
2021年 伝統九谷焼工芸展 大賞受賞
現在 日本工芸会正会員、石川県指定無形文化財保持団体 九谷焼技術保存会会員

浦出勝彦(うらで・かつひこ)
1955年 石川県輪島市に生まれる
1982年 石川県立輪島漆芸技術研修所 蒔絵科卒業。日本漆工協会賞受賞
1990年 石川の伝統工芸展 奨励賞受賞
1998年 石川の伝統工芸展 石川県知事賞受賞
2000年 金比羅宮 天井絵 木地蒔絵復元作業参加。金沢学院大学非常勤講師(2004年まで)
2003年 石川の伝統工芸展鑑査委員(以後3回)
2005年 日本伝統漆芸展 日本工芸会賞受賞
2019年 第60回記念石川の伝統工芸展 北國新聞社社長賞受賞
現在 日本工芸会正会員、重要無形文化財「輪島塗」技術保存会会員、石川県立輪島漆芸技術研修所講師

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