名称:牛島 光太郎「一枚物語/同意のない出会い」Gallery PARC
会期:2022/05/03(火) 〜 2022/05/29(日)
会場:Gallery PARC
時間:13:00~19:00
※5/7(土)はイベント開催のため18:00まで
休館日:水・木曜日
※ただし、6/4(水・祝)、5/5(木・祝)はオープン
料金:無料
住所:〒602-8282 京都府京都市上京区皀莢町287 堀川新文化ビルヂング 2階
TEL:075-334-5085
URL:Gallery PARC
一見すると無関係のようにも思える「もの と ことば」を組み合わせることで、そこに「ものがたりの気配や予感“のようなもの”」 をつくりだす作品展開を続けている作家、牛島光太郎の個展です。
代表作ともいえる『scene』シリーズ(2003~)で牛島は、日常生活の中でとりとめもなく浮かんでくる場面や風景、出来事などを切り取り、それらを「もの と ことば」でつなげることで、展開や結末などが一切ない「シーン」をつくりだすことに取り組んでいます。また、刺繍された文字によるボリュームのある「ことば」と「もの」の組み合わせによる『意図的な偶然 / intentional accident』シリーズ(2008~)は、一見すると無関係な距離にも見えるそれらが、いつしか関係するような予感を鑑賞者に抱かせます。
Gallery PARCでは2014年以来8年ぶりとなる今回の個展では、牛島が 「え と ことば」 をクロッキー帳の上に組み合わせた作品《一枚物語》と、「もの と ことば」 を組み合わせた新作となる《同意のない出会い》を発表する機会となります。
《一枚物語》は牛島が日常で気になっていた絵と言葉を用い、それらを組み合わせることで画面に絶妙な関係をつくりだすもので、一日一枚、6年以上に渡って描き溜められた作品は、2020年には書籍に纏められて出版されました。このシリーズについて牛島は、次のように語っています。
「イメージ」と「テキスト」が説明し合わないような作品を描き始めました。描き始めると「イメージ」と「テキスト」が適切に説明し合わない関係をつくるのが、簡単ではないことが分かりました。相性の悪い2人の人間に、居心地の良い親密な空間を見繕うような繊細な作業です。制作にあたり、新聞や雑誌、映画やニュースなどで見聞きした場面や、日常生活で居合わせた場面をベースにしました。(『一枚物語』あとがきより/アリエスブックス刊)
牛島によって描かれた「え と ことば」は、一見するとどこか「噛み合った物語」、あるいはどこか「ずれている物語」の一場面のような印象を持ちます。しかし、不思議なことに目の前のその場面(小さな物語)の“前後”を想像してみようとすると、なぜか全体(大きな物語)を掴まえることができなくなります。つまり、画面の上には確かに物語を発見するものの、それが「一枚」の中で完結しているかのような印象を持ちます。
本展は、この不思議な感覚を覚える『一枚物語』の原画を一堂に展示するものです。鑑賞者の皆様には「たくさん」の「一枚一枚」を見るうちに、牛島が描き出す「宙ぶらりん」の中から、物語を探し、掴もうと身を捩るようなムズムズを体験いただけるのではないでしょうか。また、本展では 「もの と ことば」 を組み合わせた過去作品「意図的な偶然」 ・「 組み合わせの方法」 に加え、牛島の新作インスタレーション《同意のない出会い》を合わせて展開させます。
「もの と ことば」、「え と ことば」、「なにか と なにか」の関係をつくり出すことで、そこに生じる(想像する)物語のサイズや手触り、匂いといった細部をつく
りだす牛島作品に通底する魅力をお楽しみいただければ幸いです。
牛島光太郎
1978年福岡県生まれ。2017年より愛媛県松山市在住。
言葉を用いた作品を制作。日本での活動に加えて、ドイツ、台湾、中国、ニューカレドニアなどで作品を発表。関西国際空港や百貨店の吹き抜け空間やショーウィンドウなど公共
空間への大規模な作品設置の他、里山や市街地でのアートプロジェクトを実施。個展、グループ展、多数。2020年4月に著書『一枚物語 ちぐはぐな日々のはなし』(アリエスブック)を出版。2020年8月に渋谷区宮下公園内ホテル「sequence MIYASHITA PARK」の客室(224室)に作品を設置。
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