「杉本博司展 本歌取り-日本文化の伝承と飛翔」姫路市立美術館

「杉本博司展 本歌取り-日本文化の伝承と飛翔」姫路市立美術館

名称:「杉本博司展 本歌取り-日本文化の伝承と飛翔」姫路市立美術館
会期:2022年9月17日(土)〜2022年11月6日(日)
前期:9月17日(土)~10月10日(月・祝)
後期:10月 12日(水)~11月6日(日)
   ※会期中展示替えがあります
会場:姫路市立美術館
時間:10:00〜17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日:月曜日 9月20日(火)、10月11日(火)
   ※ただし9月19日、10月10日は開館
観覧料:一般 1,200円(1,000円)
   大学・高校生 600円(400円)
   中学・小学生 200円(100円)
   ※( )内は20人以上の団体料金
主催:姫路市立美術館、書寫山圓教寺
協力:東京大学大学院人文社会系研究科・文学部美術史研究室、兵庫県立歴史博物館、公益財団法人小田原文化財団、ギャラリー小柳、新素材研究所、杉本スタジオ
後援:50音順
  朝日新聞姫路支局、神戸新聞社、産経新聞社神戸総局、サンテレビジョン、播磨時報社、播磨リビング新聞、社姫路ケーブルテレビ、姫路シティFM21、毎日新聞姫路支局、読売新聞姫路支局、ラジオ関西
住所:〒670-0012兵庫県姫路市本町68-25
TEL:079-222-2288
URL:姫路市立美術館

《春日神鹿像》  室町時代(15~16世紀) 海景五輪塔:杉本博司 2011年 鞍・蓮台補作:須田悦弘 2022年 小田原文化財団
《春日神鹿像》  室町時代(15~16世紀) 海景五輪塔:杉本博司 2011年 鞍・蓮台補作:須田悦弘 2022年 小田原文化財団

杉本博司はかつて、自身の作家活動の原点とも言える写真技法を和歌の伝統技法である本歌取りと比較し、「本歌取り論」を展開した。この中で杉本は、日本文化の伝統は旧世代の時代精神を本歌取りすること、つまり古い時代の感性や精神を受け継ぎつつ、そこに新たな感性を加えることで育まれてきたものであろうと述べている。更には、日本だけでなく世界中の文化に本歌を求め、自身の創作においても本歌取りを試みたいとも記している。
杉本は本展で、自身の表現領域の拡大に伴い、写真技法のみに留まらない更なる「本歌取り論」の展開を試みる。時間の性質や人間の知覚、意識の起源といった杉本が長年追求してきたテーマを内包しながら、千利休の「見立て」やマルセル・デュシャンの「レディメイド」を参照しつつ独自の解釈を加え、新たな本歌取りの世界を構築する。
この新たな本歌取りを表現すべく、初公開となる屏風仕立ての写真作品≪天橋立図屏風≫とその発想の源泉となった頴川美術館旧蔵の重要文化財≪三保松原図≫(兵庫県立美術館蔵)や、春日大社に関わりのある重要文化財≪金銅春日神鹿御正体≫(細見美術館蔵)とそれを本歌とした≪春日神鹿像≫など、杉本作品と共に、その本歌となった様々な作品が展示される。
また、尾形光琳の≪紅白梅図屏風≫を本歌とする≪月下紅白梅図≫や、代名詞ともいえる大判の写真作品をはじめとする杉本の代表作に加えて、姫路城を撮影して屏風に仕立てた≪姫路城図≫、書寫山圓教寺所蔵の≪性空上人坐像≫を本歌とした写真作品≪性空上人像≫といった姫路の文化財に触発されて生まれた新作を通して、「本歌取り論」を提唱する以前から現在に至るまで、杉本作品の底流には常に本歌取りの概念が存在していることを紐解く。

「杉本博司展 本歌取り-日本文化の伝承と飛翔」姫路市立美術館
「杉本博司展 本歌取り-日本文化の伝承と飛翔」姫路市立美術館
重要文化財 《金銅春日神鹿御正体》 南北朝時代(14世紀) 細見美術館
重要文化財 《金銅春日神鹿御正体》 南北朝時代(14世紀) 細見美術館
杉本博司 《性空上人像》 2022年 作家蔵
杉本博司 《性空上人像》 2022年 作家蔵
杉本博司 《カリフォルニア・コンドル》 1994年 ©Hiroshi Sugimoto
杉本博司 《カリフォルニア・コンドル》 1994年 ©Hiroshi Sugimoto
伝 牧谿 《松樹叭々鳥図》 室町時代(15~16 世紀) 藤田美術館
伝 牧谿 《松樹叭々鳥図》 室町時代(15~16 世紀) 藤田美術館
重要文化財 伝 能阿弥筆《三保松原図》 室町時代(15世紀)、兵庫県立美術館 頴川コレクション
重要文化財 伝 能阿弥筆《三保松原図》 室町時代(15世紀)、兵庫県立美術館 頴川コレクション

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