「第2期 特集:作家たちの20代」岩手県立美術館

「第2期 特集:作家たちの20代」岩手県立美術館

名称:「第2期 特集:作家たちの20代」岩手県立美術館
会期:2022年7月29日(金)ー10月16日(日)
場所:常設展示室
詳細:前期:7月29日(金)ー9月4日(日)
   後期:9月6日(火)ー10月16日(日)
入場料:一般 410円、大学生 310円、高校生以下・障害者手帳提示と付き添い1名 無料
住所:〒020-0866岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
TEL:019-658-1711
URL:岩手県立美術館

澤田哲郎《飢えた鴉》1941年
澤田哲郎《飢えた鴉》1941年
村上善男《オルグ》1956年
村上善男《オルグ》1956年

岩手県立美術館では、明治から現代にいたる岩手ゆかりの作家たちの作品を収集し、季節ごとに年4回展示替えを行いながら、常設展示室、萬鐵五郎(よろず・てつごろう)展示室、松本竣介(まつもと・しゅんすけ)・舟越保武(ふなこし・やすたけ)展示室の3室でコレクションを公開しています。
今期の特集展示では、「作家たちの20代」と題し、当館所蔵作家たちが20代の頃に制作した作品を選んで展示します。多くの作家にとって、20代は成長の時期といえます。この時期に作家は技術を磨きながら、自分の表現を確立させていきます。20代の頃の作品という区切りを設けることで、それぞれの作家たちが目指していたもの、当時の時代背景や美術潮流の違いなどを比較することができるでしょう。
五味清吉(ごみ・せいきち)や堀江尚志(ほりえ・なおし)は、20代にして既に作家としての技量を評価され、将来を期待されていました。彼らは東京美術学校の学生でありながら、当時の作家たちの登竜門である文部省美術展覧会に出品し、受賞を果たすなど、優れた成績を収めました。
美術学校の教えに飽き足らず、独自に最新の美術様式を取り入れて独自の表現を追求していったのが萬鐵五郎であることはよく知られていますが、他にも世界的な美術の流行に影響を受けた作家たちがいます。村上善男(むらかみ・よしお)と百瀬寿(ももせ・ひさし)は、それぞれ世界の美術界に大きな影響を与えていたアッサンブラージュ(既製品などを寄せ集めて作品を作る技法)や抽象表現主義の流れをくむ作品を制作しています。また、海外の美術動向に自ら触れるため、海を渡った作家たちもいました。麻生三郎(あそう・さぶろう)、奈知安太郎(なち・やすたろう、宇津宮功(うつみや・いさお)の作品はそうした体験の賜物と言えるでしょう。その他、表現活動が制約されていた戦争の時代には、時代の雰囲気を反映した作品も登場しています。寺島貞志(てらしま・ていし)、澤田哲郎(さわだ・てつろう)、鈴木貫爾(すずき・かんじ)らの作品に、困難な時代における彼らの思いを見ることができます。
これらの作品を通じて、試行錯誤の途上にあった彼らの問題意識や、影響を受けたものについて理解を深めることができるでしょう。若き日の作家たちが、それぞれに取り組んだ研鑽の成果をお楽しみください。

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