「坂内美和子 展 自然の祭壇」トキ・アートスペース

「坂内美和子 展 自然の祭壇」トキ・アートスペース

名称:「坂内美和子 展 自然の祭壇」トキ・アートスペース
会期:2022年8月30日(火)~9月11日(日)
開館時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
休館日:月曜休廊
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
TEL:03-3479-0332
URL:トキ・アートスペース

作品タイトル「自然の祭壇シリーズⅠ」 素材 シナベニヤ合板、アクリル、アルキド樹脂、和紙、段ボール、他 サイズ H1600×W630×D50 ㎜ ×2枚 H1320×W630×D50 ㎜ ×2枚
作品タイトル「自然の祭壇シリーズⅠ」 素材 シナベニヤ合板、アクリル、アルキド樹脂、和紙、段ボール、他 サイズ H1600×W630×D50 ㎜ ×2枚 H1320×W630×D50 ㎜ ×2枚

「自然の祭壇」 展覧会コンセプト
アイルランドで不思議な体験をした。キルデアにある聖女ブリジッドゆかりの「聖なる泉」、ここは自然を崇拝した古代ケルトの同じ名前の女神の聖地でもある、を巡礼したときのことである。黒い犬が私に近づいてきて、しばらく一緒に歩くことになった。結局途中でそそくさと戻っていったが、あの黒い犬はその後どうなったのか。ときどき思い出すことがある。
今回の展示は、この象徴的なエピソードが核となっている。ここでも旅の途中で犬に出逢い、共に歩む。道中では豊かな大地、青々とした広大な湖が登場する。しかし、進んでいくと悲惨な光景に変わる。森は大量な伐採が進み、土は荒れ乾き果て、ことごとく自然が失われている。行き場を失い、弱り切った孔雀や鹿たちもいる。
だがそこを抜け、水先案内人である犬が最後に「聖地」へと導く。この「聖地」を自然の祭壇とした。
自然の祭壇は今回幾つか制作したが、先に述べた犬や孔雀、鹿と大木、ハスの花と実を登場させた。仏教で蓮は聖なる花とされ、またその実を食べると自律神経や精神を安定させる効果があるとも言われている。
自然の祭壇の素材には、段ボールやカラーボックスなど、日常にあふれている人工物を使用している。段ボールは物流に欠かせない素材だ。
段ボールは再生紙から作られるが、その前の工程として紙は木から作られている。木を使った生産と消費の流れの、最初のほうに木や板があり、最終点に段ボールがある。現代のグローバリゼーションの物流と生産の象徴として用いている。
巡礼のたどり着く先には「自然の祭壇」がある。しかしこれは自然そのものではなく、人工物と自然、生き物との錯綜した関係を体現する。混沌としたこのありようを描きながら、私は色々な思いを託した。
私と一緒に、探究を歩んでいただければ幸いです。
2022年8月
坂内美和子

プロフィール
1964 千葉県生まれ  
1993 サエグサ画廊にて個展 95、97
2003 藍画廊にて個展(東京・京橋)05
2009 ギャラリー現にて個展〔東京・銀座〕12、14
2010 第13回我孫子国際野外美術展〔千葉〕に参加
2011 中之条ビエンナーレ2011〔群馬〕に参加
2013 「遊・桜ヶ丘 現在進行形野外展2013」に参加〔東京・多摩〕14、17、18、21
2015 坂内美和子×小林恒夫展を開催〔SPC GALLERY /東京・日本橋〕
2018 トキ・アートスペースにて個展〔東京・外苑前〕
2020 トキ・アートスペースにて個展 企画シリーズ“Realization”での参加〔東京・外苑前〕
   「増殖と破滅のはざまでーパンデミックに己をどう刻印するかー」」に参加〔ギャラリー湯山・新潟〕
2021 「オリンピック終息宣言展2021」に参加〔セッションハウス /東京・神楽坂〕
   「我孫子アートな散歩市2021」に参加〔旧村川邸 /千葉〕
2022 「十花の毒」美の精鋭たち2022に参加〔宇フォーラム美術館/国立・東京〕
他、個展グループ展多数

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