収蔵品展075「彫刻家の素描・版画」東京オペラシティ アートギャラリー

舟越保武 《女の顔 2》 コンテ,紙 39.3 x 33.1cm 1990 photo: 斎藤新

名称:収蔵品展075「彫刻家の素描・版画」東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2023年1月18日[水] ─ 3月26日[日]
開館時間:11:00 - 19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日、2月12日[日](全館休館日)
会場:ギャラリー3&4 寺田小太郎メモリアルギャラリー(東京オペラシティ アートギャラリー 4F)
入場料:企画展「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎」の入場料に含まれます。
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
住所:〒163-1403東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL:03-5777-8600
URL:東京オペラシティ アートギャラリー

舟越桂
《ドローイング》
鉛筆,木炭,インク,紙
83.0 x 65.0cm
1987
photo: 若林亮二
舟越桂 《ドローイング》 鉛筆,木炭,インク,紙 83.0 x 65.0cm 1987 photo: 若林亮二

今展では、寺田コレクションの中から、彫刻家が手がけた素描や版画といった平面作品を紹介する。にくづけする(塑像)、あるいは削る(彫像)といった作業を通して空間に形を生み出す彫刻家にとって、平面作品はどのような意味を持っているのだろうか。
三次元の対象を二次元のイメージとして捉える画家に対して、彫刻家は三次元を三次元のかたまりのままで捉えようとする。その視線は、対象と距離をとり、一点透視図法的に眺めてその形態を把握するのではなく、物体の量感をたしかめながら触覚性を伴って対象を把握しようとするものだといえる。佐藤忠良は舟越保武との対談の中で「最も素朴な意味で彫刻が絵と違うところは、彫刻が質抵抗の触覚の芸術だということだと思うんだ。自分の思いを石とか木、土に託して彫ったり刻んだりするんだから、まさに触覚の芸術だよね」[*1]と語っている。このような彫刻家のまなざしは、平面作品においても独自の魅力を放っている。
彫刻家の素描・版画は、彫刻作品の副次的な産物としてだけではなく、一つの完成された表現世界を確立しているといえる。彫刻家が、対象を把握し、自身のイメージを定着させようと描く素描には、作家の意図や制作プロセス、モデルの内面性や心情を掴み取るための試行錯誤や、純粋なフォルムへの関心が表れている。あるいは、対象と空間との関係性や形態に対する作家の思考の痕跡としてのコンセプト・ドローイングの役割を果たしている場合もあるだろう。彫刻家が紙の上に展開する線や形、その造形的な魅力を楽しんでいただきたい。

舟越保武
《聖マリア・マグダレナ》
ブロンズ
38.0 x 29.0 x 36.0cm
1989
photo: 早川宏一
舟越保武 《聖マリア・マグダレナ》 ブロンズ 38.0 x 29.0 x 36.0cm 1989 photo: 早川宏一
保田井智之
《無題》
油彩,檜板,ベニヤ板
41.0 x 28.5cm
1993
photo: 早川宏一
保田井智之 《無題》 油彩,檜板,ベニヤ板 41.0 x 28.5cm 1993 photo: 早川宏一
保田井智之
《生きるものの記憶-帆》
楠,ブロンズ
180.0 x 47.0 x 65.0cm
1991
photo: 黒川晃彦
保田井智之 《生きるものの記憶-帆》 楠,ブロンズ 180.0 x 47.0 x 65.0cm 1991 photo: 黒川晃彦
舟越保武 《女の顔 2》 コンテ,紙 39.3 x 33.1cm 1990 photo: 斎藤新
舟越保武 《女の顔 2》 コンテ,紙 39.3 x 33.1cm 1990 photo: 斎藤新

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る