名称:「シュルレアリスムとエコール・ド・パリ 近代化に抗って」ポーラ美術館
会期:2023年1月25日(水)~2023年7月2日(日)
開館時間:9:00 〜 17:00
入場料:一般 1800円、65歳以上 1600円、大学生・高校生 1300円、中学生以下 無料、障害者手帳提示と付き添い1名 1000円
会場:ポーラ美術館
住所:〒250-0631神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460-84-2111
URL:ポーラ美術館
1920年代のフランスでは、第一次世界大戦からの復興によって、かつてない規模と速度で近代化が進み、大量生産と大量消費によって文化が成熟する「狂騒の時代」を迎えました。この時代のなかで人々の価値観は変化し、フェルナン・レジェは合理的でダイナミックな機械文明を賛美した絵画を制作し、建築や商業デザインにおいても幾何学的な造形が流行します。
こうした繁栄の一方で、近代化を批判する動向が生まれます。1924年に『シュルレアリスム宣言』を発表した詩人アンドレ・ブルトンは、人間性を疎外する合理性や理性主義を批判し、無意識を手掛かりに「超現実」を探究する「シュルレアリスム」を創始しました。スペインからフランスへ移住した画家サルバドール・ダリはこの思想に共鳴し、馬がライオンや人に見えてくるという「ダブル・イメージ」を絵画で表現することによって不可思議なイメージを生み出すなど、視覚芸術の領域へも拡大し、多くの画家たちがそれぞれの手法で探究を進めました。
また1920年代には、都市が新しく作り変えられていくなかで、失われつつある風景や人々を描いた画家たちにも光が当たり始めます。特に1910年代からフランス国外からパリへと渡り、貧しい生活を送り、旧い街角や哀愁のただよう人物像を制作し続けてきた芸術家たちがこの頃に評価されました。1925年には批評家アンドレ・ヴェルノが「エコール・ド・パリ」(パリ派)として初めて紹介しています。時代の狭間に生きた彼らの懐古的な眼差しもまた、急速な近代化への反発といえるでしょう。
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