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『故宮鼻煙壺選崒』 1974年
2008.05.24更新
嗅煙草はヨーロッパから伝来したものであり、これを嗅ぐと目が覚め疫病を避けるのに効能があるといわれた。そして嗅煙草の用具も盛んになって特製の小さい壷が用いられるようになったが、これが鼻煙壷と呼ばれるものである。
鼻煙壺の素材は多種多様であり、磁・玉・靖騎の他にも金銀・珊瑚・象牙・陶磁・竹木などがあげられるが、器が小さいために材料が入手しやすいことによるのである。とりわけ特殊なものとして披璃(ガラス)に彩絵を施したものがあるが、これは他の器物にはみられない画法である。つまり鼻煙壷を製成したのちに絵を器の内壁に描くのである。壷の腹部はやや広いとはいえ、日は小さいので下筆はきわめて困難である。しかしながらその技に精通熟達したものの描いた山水・人物は厳然たる一幅の名画である。したがって作家の葉仲三、周楽元などの名声が広く人々に知られているのもその業績によるのであって、決して偶然ではない。またいわゆる套1料と称されるものがあるが、これは披璃煙壷に色々の彩色不透明ガラスを重ねて作ったものであり、その製作技術が比較的容易であるため、鼻煙壷中にはこの種の品が少なくない。
近来、鼻煙壷は国内外の人士から非常な注目を得ているので、本院では特に所蔵品中より精品五十点を選び、編集印刷して各界人士の参考に供するものである。
本書の選択と編集はいずれも本院編輯の呉鳳培君が主持し、雇員の林美慧が協力した。特にここに付記するものである。
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