考古用語辞典 A-Words

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敦煌 2007.03.18更新

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敦煌

【和:とんこう
【中:Dun huang
晋・南北朝>敦煌

   敦煌は、甘粛省の河西走廊の最西端に位置し、面積は3万1200平方キロ、古代シルクロードに位置する有名な都市である。今からちょうど100年前、敦煌莫高窟(ばっこうくつ)で第17窟(蔵経洞)が発見され、紀元4世紀から11世紀の仏教経典、古文書、刺繍、絹絵、楽器・仏具などの文化財およそ5万点が出土、20世紀における文化史上最大の発見のひとつとして注目を浴びた。しかしこれらが発見されたのは、清王朝末期の列強各国が台頭していた時代で、そのため蔵経洞の文化財の多くが国外へ持ち出されることとなり、中国の文化史上最も大きな痛手となった。
敦煌に関する文献および敦煌の石窟の内容は極めて豊富で、非常に貴重なものであるため、中国の学者の注目を集めているだけでなく、熱心に研究を続ける外国人学者も多い。20世紀には「敦煌学」が国際的な学問として成立し、20世紀の世界の人文・社会・科学分野でも特に大きな光を放っただけでなく、燦然と輝く中華文明を世界に広める役割を果たした。
この100年で世界は大きく変化し、アジアでは再び歴史ある中華文明が脚光を浴びている。敦煌芸術の秘宝は大切に保護され、莫高窟が世界文化遺産に登録されるなど、世界中の人々の注目と評価を集めており、各国からの観光客は年数万人に上る。
21世紀を目前に控え、中国では「敦煌芸術大展」が厳かに開催され、蔵経洞の文化財や優れた敦煌芸術が展示されている。蔵経洞文化財発見・敦煌学成立100周年を記念するこの展覧会が、中華民族が残した優秀な文化遺産に対する各国の人々の理解を深めるのに役立つことが期待される。
光り輝く敦煌の文化遺産は世界の人々の注目を集めている。栄光ある中国古代文明を代表する敦煌文化は、中国と世界の宝である。
 壁画・塑像芸術は内容が豊富で、雄大な迫力を持つ敦煌石窟芸術は、建築、壁画、彩塑といった3種類の芸術が一体となった立体芸術である。石窟では、洞窟の四方の壁や斜面の至る所には壁画が描かれ、石窟建築、彩塑と結びついてあざやかな光を放っている。敦煌石窟に現存の壁画や彩塑の数は非常に多く、規模が大きく、内容が充実しているだけでなく、技術や技巧も優れているため、世界でも珍しい偉大な古代芸術の宝庫となっている。
絵画珍品:蔵経洞から出土された仏教絵画は、絹、朝布、紙にかかれており、その数は1000点以上。そのうち800点が略奪されて海外に持ち出され、大英博物館、インド・ニューデリー国立博物館、フランスのギメ美術館、ロシアのエルミタージュ美術館などに収蔵されているほか、日本、アメリカ、中国国内にも散らばっている。これらの絵画は7世紀から10世紀にかけて描かれた遺産で、その多くは唐の時代以降の作品。敦煌石窟の壁画と同様、敦煌絵画の一部である。
敦煌文献:敦煌の蔵経洞で発見された文化財は、人類の貴重な文化遺産である。古代の写本、木版刷り書物、仏教芸術品は、晋の時代から南北朝時代に引き継がれ、隋の時代、唐の時代に最高潮を迎え、宋の時代の初めに終焉を迎えるまで、実に7世紀も引き継がれた。その内容は中国古代の政治、経済、軍事、歴史、哲学、宗教、民族、言語、文学、芸術、科学芸術などのほか、シルクロードを通じた東洋文化と西洋文化の交流の歴史など多くの分野に及んでいる。写本や木版刷り書物は、漢字だけでなく、西蔵(チベット)語、突厥語(チュルク)、梵語(サンスクリット)など多くの言語で記されている。出所:中国世界遺産「敦煌莫高窟」

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