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白馬チベット族 2007.04.20更新

白馬チベット族

【和:はくばちべっとぞく
【中:Bai ma zhang zhu
面白テーマ>四川民族>白馬チベット族

  白馬チベット族は、人口約12,000人(1990)、四川省と甘粛省にまたがる平武、南坪、文県の海抜2000~3000メートルの峡谷地帯に暮らす。村落は江に沿った山腹斜面に10数~30数戸の規模で点在する。周辺にはマツ・スギ類の原生林が密生し、山頂には草地が広がる。貝母や虫草、麝香鹿などの漢方薬が豊富で、クマやジャイアントパンダが棲息する。彼らは山腹に共同で焼畑を開き、ソバやチンクー麦、トウモロコシを栽培してヤクやヤギを飼育し、自給的な生活をおくってきた。近年は、漢方薬材の採取や木材運搬などを主な現金収入源とする。
白馬チベット族は、長い間、江最上流の原生林の中で周囲から隔絶されて暮らしてきたために、伝統的な暮らしが根強く伝えられている。羽つきの白いフェルト帽と色鮮やかな民族衣装を日常的に身につけ、固有の白馬チベット語を話す。家屋は木板と土壁で造った三階建てで、1階が畜舎、2階が人の居住部分となっている。村落にはそれぞれ固有の山の神がおり、平武県白馬郷の山神「エシナモ」を最高神として崇める。春節や旧暦4月の山神祭りでは「ペモ」(宗教職能者)が経文を唱え、ヤギを犠牲にして五穀豊穣や駆邪を祈る。歴史的には北のチベット族と南の漢族の双方から侵略されたために自民族意識が極めて強い。他民族との通婚は現在でも稀である。 
彼らは1950年代の民族識別でチベット族とされたが古代「羌」の「」の末裔であることを強く主張している。いわゆるチベット族とは異なる文化をもつ集団である。自然界の諸事象を多神的にとらえる固有の信仰をもち、言語はチベット・ビルマ語系のチベット語群とチャン語群の中間的な要素をもつ。乳製品を利用する習慣もない。言語や風俗習慣においては、むしろチャン族に近い。 出所:松岡正子

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