清(光緒期)
清朝後期の后妃が春秋の平常着の上に着用した琵琶襟の上着
衣服類
総丈66.5cm，両裄132cm，袖口20.5cm，裾幅74cm
北京故宮博物館蔵
馬褂は，もともと馬上で着用する上衣であったものが后妃達の平常者として取り入れられたものです。清朝において馬褂は，男性と女性のどちらもが着ることができる服のひとつでした。男性の，馬褂の袖口は，女性用のものより細くて，文様も，団龍と寿字文などの地文を主として織られています。女性が着用する際は，一般的に平常着もしくは氅衣の外側に着用します。馬褂は，大襟，対襟，琵琶襟の三種類に分類されますが，これは琵琶襟〔襟が琵琶の形のように湾曲している〕の右前開き式のものです。
この馬褂は宝藍色〔紺青〕の繻子地で作られており，雲や飛鶴の文様が刺繍されています。雲と鶴どちらも吉祥文様で，この服は特に長寿を象徴しています。出所：『紫禁城の后妃と宮廷芸術』

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