清(雍生期)
衣服類
長166cm、幅73cm
北京故宮博物館蔵
緑地の六枚繻珍の地に，金箔糸，群青，薄い藍色，橙色，赤，ピンク，朱色，浅緑を緯糸として文様を織り出しています。群青で織り出した卍文を金箔糸で縁取り，その卍文を地として五彩の「喜相逢」文を配し， その間に花と羽をひろげて飛ぶ蝶をあしらっています。各色の緯糸を相互に組み合せて，十数種の異なる色の蝶が織り出されています。蝶は二匹が一対となり，別れていた恋人が，逢瀬を喜び合うかの様子を想わせることから，「喜相逢」と呼ばれています。群青の卍文と縁取りの金箔糸は絵緯の技法で織られており，他の色糸はすべて文様にあたる段のみ絵緯で織られているので，布の裏には様々な色糸が表われています。この金襴は文様の配置が整然とし，主題がはっきりと表わされ，それぞれの文様は躍動感にあふれています。配色は大胆でありながら巧みで，艶のある諧調を保っています。織りも精密で，雍正期の金襴の優品です。出所：『紫禁城の后妃と宮廷芸術』

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