清(乾隆期)
衣服類
長424cm，幅74cm
北京故宮博物館蔵
浅荵色の六枚の綾地に，赤，浅緑，群青、朱，海老茶の経糸で輸奈を織って文様を表わします。今を盛りと咲き誇る牡丹，まさに開かんとする牡丹など，互いに艶を競っています。牡丹の花びらは，輪郭のみ輸奈をループのままに残し，他の部分は殆んど切り開いて毛羽立てています。茎の片側の輪奈は切り開かれ， 半分は残されており，また，葉と葉脈の光の陰になる部分の輪奈も残されています。切り開いた箇所は光沢がやや強く，残した部分は少し光沢が落ちます。このようにして文様の層をはっきりさせて明暗を際立たせ，立体感を出しています。そのため，文様には生き生きとしたりズム感が生まれ，あたかも本物の牡丹が咲いているかのようです。色使いも明快かつ艶麗で，堂々とした美しさが感じられます。織り方もすこぶる精巧で，漳緞〔天鵞絨〕のなかでも控梭を多く用いた最も華麗な作品です。出所：『紫禁城の后妃と宮廷芸術』

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