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石青色刺繍五彩地景文褂料 2007年08月19日(日)更新
【和:せきせいしょくししゅうごさいちけいもんかいりょう】 |
【中:Shi qing se ci xiu wu cai di jing wen gua liao】 |
明・清|絹・衣類>石青色刺繍五彩地景文褂料
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清(道光期)
清朝中期の風景文様を刺繍した石青色の衣装用布地
衣服類
長 306cm, 幅 102cm
北京故宮博物館蔵
この褂料は深い紫色の変則的な七枚の繻子地に,五彩で八団〔八つの円文〕の風景文を刺繍したものです。団文の風景は両肩と胸と背にあたる部分が同じですが,下部にあたる部分は異なります。布地中央の左右二団〔①②は肩にあたり,江南の山水楼閣を表わしています。円内の前景,中景,両側の山には様々な樹木や草花を配し,斜面には楼閣長廊が描かれています。山中には橋や滔々と流れる大河,河面には小舟で渡って行く人物を表わしています。遠景には雲を突くような高い山が聳えています。胸と背にあたる中央上下の二団〔③④〕も同じ風景で,周縁をすべて高低入り乱れた山峰とし,山頂にはやはり様々な樹木や草イと花を配しています。その間に斜面,河川,楼閣,橋梁および,飛び交う蝙蝠と霊芝を採って帰って来る雌雄一対の鹿を刺しています。蝙蝠の蝠〔fu〕は福と,鹿〔lu〕は禄と同音で,霊芝は不老長寿の象徴とされますので,この団文は"福禄寿倶全″〔福禄寿がすべてそなわっていること〕を意味しています。下方にあたる上下四団文にはそれぞれ漁樵耕読の情景を描き,表の左側が漁に出かける場面〔⑥〕,右側が柴刈りから帰って来る場面〔⑤〕,後は耕作する場面〔⑦〕と,詩書を暗唱する場面(⑧)です。全体に,国がよく治まり, 人々が平穏に暮らし,その仕事を楽しむ太平の気分が満ち溢れています。
この繻子は図案のデザインが清新で趣きがあるばかりでなく,構想も巧みで個性的です。また優しく明るい色使いも見事で,道光期の優品です。出所:『紫禁城の后妃と宮廷芸術』
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