象牙、緑松石
高30.5cm
1976年河南省安陽市婦好墓出土
商時代・前13－12世紀
中国社会科学院考古研究所蔵
　婦好墓からは象牙の杯が3点出土した。この形のものが2点、少し形の異なるものが1点である。饕餮紋などの紋様を彫り込み、そこに緑松石の小片を嵌め込むことによって紋様を表わしている。把手は、上部が嘴を外側に向けて透彫で表わした夔鳳紋で、下部にも獣を表わし、指を掛けるための中間の細い部分にも獣面のようなものを表わしている。象牙は商王朝の人々によく用いられていた。殷墟では象の骨が丸ごと発見された例があり、飼育された象がいたと考えられる。また象牙細工の装飾品なども、殷墟よりー時期前の二里岡期の遺跡からすでに発見されている。 出所：「中国国宝展」

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