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羊形灯 2007年10月14日(日)更新

羊形灯

【和:ひつじがたとう
【中:Yang xing deng
秦・漢・三国|青銅器>羊形灯

青銅
高18.6cm、長23cm
1968年河北省満城県満城漢墓1号墓出土
前漢時代・前2世紀
河北省博物館蔵
 中国で灯明あるいはランプのたぐいの照明器具が登場するのは、戦国時代の後半、前4世紀以降である。戦国時代の明りは、みな高価な工芸品であり、数も少ない。漢時代の遺跡からは、青銅製あるいは鉄製の簡素で実用的な明りが多数発見されており、漢時代には明りがかなり普及していたことが確実である。漢時代になると油の生産が増加し、明り用にも使用できるようになった、という事情があったのかもしれない。
この作品は羊の形をしたランプである。蝶番によって、羊の背中の板が頭の上にきて油を受ける皿となる。使い終わったら、火を消して皿を背中の位置に戻すと、残った油は自動的に胴の中に納まる。持ち運びの便を考慮して作られた明りである。漢時代には各種の動物をかたどった明りが作られたが、動物の種類としては羊が圧倒的に多い。羊という文字の発音は、「吉祥」の「祥」に近いので、縁起を担ぐ意味で羊が好まれたのである。 出所:「中国国宝展」

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