砂岩、彩色
高45cm、幅29cm
1954年四川省成都市万仏寺址出土
梁・6世紀
四川省博物館蔵
　中央の如来像は、施無畏、与願印を結び、右足を上に須弥座に結跏趺坐する。如来の両側には比丘、菩薩、天王を配す。
如来の顔の輪郭は四角く、目は弦月形で口元に微笑を浮かべる。衣の襟元には左3本、右2本の刻線が見られ、内衣の上に衣を重ねてまとっていることがわかる。右肩から右上腕に外衣を掛ける。胸前から下腹までが大きくあき、幅の異なる2本の帯が上下に見えている。大衣は須弥座の前へ垂れる裳懸座とする。懸裳下側には縦に細かい襞が付けられている。須弥座の前に2名の比丘形が向い合って立ち、両側面には侏儒が坐っている。須弥座の両脇には1対の獅子を配す。右脇侍菩薩は、頭にターバン型の飾りを着け、胸前で球状の持物を執り、左脇侍菩薩は、宝冠正面に化仏を表わし、胸前で鉢らしい持物を執る。舟形光背は、内側より、釈尊の頭光、七仏、連珠紋、飛翔する12体の大人を表わす。光背背面には、中央に如来坐像、右に2名の供養者、左に3名の供養者を浅浮彫する。
 本像は小品ながら、万仏寺出土品の中でも数少ないほぼ完形の作品である。刻銘をもたないものの、像容から梁時代の制作と考えてよいだろう。 出所：「中国国宝展」

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