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如来立像2(龍興寺) 2007年10月18日(木)更新
【和:にょらいりゅうぞう】 |
【中:Ru lai li xiang】 |
晋・南北朝|石器・ガラス>如来立像2(龍興寺)
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石灰岩、彩色、金
像高121cm、全高152cm
1996年山東省青州市龍興寺址出土
北魏・6世紀
青州市博物館蔵
頭部は、丈の高い肉髻をやや前よりに作る。頭髪を螺髪とするが、後頭部は彫出しない。顔は四角く、弓形の眉は鎬立ち、アーモンド形の目も輪郭を盛り上げて作る。鼻は小さく、人中を長くし、唇の端をわずかに吊り上げて微笑を浮かべる。頬をわずかに盛り上がらせる。顎には2重のくびれがある。
肩は丸みを帯びているものの、肩幅自体は比較的広く、体にヴォリエームを与えている。内衣を右肩をあらわにする偏袒右肩に着し、大衣をまとい、円形頭光を負って立つ。大衣は右肩から左前腕へかかり、胸前で結んだ内衣の帯を見せるいわゆる中国式服制をとっている。大衣の衣紋は線刻で疎らに表現されているせいか、衣の厚みが感じられない。また、下半身の襞も彫り自体は浅く平板である。
与願印を結んでいたと思われる左手の指には、縦に筋が付けられている。光背蓮弁は厚みがあり、先端を反り返らせている。山東省の他の地域からの出土品にも同様の光背蓮弁をもつものがあるが、北魏末から東魏頃にかけての作例にこの形式の蓮弁が多い。また、こうした形式の蓮弁を表わす瓦が百済やわが国飛鳥時代のものにもみられることは興味深い一致といえよう。
本像は、本来如来三尊の中尊として制作されたものであるが、のちの廃仏によって破壊されたため、独尊形式に作り直されたと考えられている。大衣の背面近くまで、墨線、緑や朱の彩色が見られるが、これらは再加工後のものということができよう。 出所:「中国国宝展」
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