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提梁籠 2007年10月23日(火)更新
銀、鍍金
高17.8cm、直径16.1cm、重654g
1987年陝西省扶風県法門寺出土
唐時代・9世紀
法門寺博物館蔵
打ち出しと透彫の技法を併用し、番の鴻(大形の雁)が何組も飛び交う様と、円紋が連なった、いわゆる七宝繋ぎの紋様を表わした、手提げ式の籠。用途は明らかでないが、繊細なつくりからすると、重量物の容器とは考えにくく、茶葉を容れて乾燥させるのに用いたとも考えられている。唐代の茶葉は、葉を蒸して固めた餅茶といわれるもので、それを小型の臼で挽いて使用した。法門寺地宮からは、他にも茶具と考えられる器物が幾種類か発見され、
注目を集めている。円筒形の身の上に、こんもりと盛り上がった蓋がのり、花弁形の脚と半弧を描く把手が取り付けられ、地金の銀色と鍍金の金色が鮮やかな対比をなす色調とともに、全体に洗練された仕上がりをみせる。刻線などに部分的に荒さがみられるものの、皇室の奉納品にふさわしく、巧緻と贅がつくされ、唐代晩期の工芸品を代表する佳品といえよう。 出所:「中国国宝展」
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