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喪乱帖 2007年10月27日(土)更新
王羲之
東晋・四世紀
26.3×58.5cm
王羲之は前代の張芝、鍾繇ら名家の書法を総合した大家である。彼の真跡はすでに亡んで今日見ることはできないが、双鉤本や刻帖、模本により数多くの名帖が伝えられている。わが国へも奈良朝に多くの王羲之法書が将来され、日本書道の母胎となっているが、喪乱帖はそうした中の一ツ、国家珍宝帳(正倉院)に「王羲之書法廿巻」と記載されるものの断簡である。五通の尺牘から成り古来、「喪乱帖」と喧伝される劇跡であるが、実はこれも唐代における双鉤填墨本である。その精密な技術はまことにすばらしく、王羲之の書の輪郭を完全に伝える最高の遺品であるといって過言でない。これは羲之晩年期の書風で、変化自在な筆画と無限に変わる均衡の美しさの中に、厳しい心と枯れ枯れした情味を感得することができよう。出所:「書の歴史」
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