考古用語辞典 A-Words

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銀鍍金涅槃図棺(舎利容器)2007年11月07日(水)更新

銀鍍金涅槃図棺(舎利容器)

【和:ぎんときんねはんずかん
【中:Yin du jin nie pan tu guan
隋・唐・五代|金銀・玉器>銀鍍金涅槃図棺(舎利容器)

唐・9世紀
鍛造
1971年西安市東郊奏川廠出土
幅22.5、奥行8.2 高14.0cm、730g
西安市文物保護考古所蔵
 石槨の中に納置されていた容器で、内部には、緑色ガラスの破片とともに幾種かの宝玉石が納置されていた。後者は、舎利に見立てられた代用品の類と見られる。身は直方体状に成形され、四方を面取り風に斜面とした蓋がかぶさり、 下部もには3段の座が備わる。蓋、身、座のそれぞれには各種の図像が線刻されている。身の正面には、寝台の上に、向って左方を枕にして横たわる如来像が大きく表出され、その枕頭に、胸を叩いて嘆き悲しむ様子の比丘と袖で顔をおおって悲嘆にくれる姿の婦人、如来の足元には、前かがみになって如来の足に手を添える比丘が表現される。釈迦入滅の場面を描いた涅槃図である。左右の側面には、光背を負って蓮華座に結跏趺坐する如来坐像が表現される一方、背面は大半が空白となり、下端に二重の花弁文帯が表わされるのみである。蓋は、上面に蓮唐草、斜面の正背面には供物盤を捧げる各一対の迦陵頻伽、斜面の短側面には、ともに花文が見える。座は、上段側面に花弁文帯、中段側面に花唐草文帯、下段側面に格狭間形がめぐらされている。器体の成形法や図像表現には、唐代晩期の銀器に通有の特徴でもある粗略なきらいがあるものの、図像内容は変化に富み、この種の舎利容器の遺品の中では異彩を放つ作例といえよう。出所:「唐皇帝からの贈り物」

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